ステークホルダーがうなづく研修企画・提案とは?

インストラクショナルデザイン, 人材育成, 戦略立案, 教育評価

突然ですが、あなたの会社で作成される人材育成プラン(研修企画)はどんなスキームで作成され、承認されていますか?

「色々考えて研修を企画したのですが、部長を説得できませんでした」
「今期は業績が厳しいという事で、人材育成関係の投資はすべて見送られてしまいました…」
このように、肩を落とされている人材育成担当者様のお話を聞くことがあります。

研修企画が通らない理由は予算?!

あなたが企画した研修を実践するためには、ステークホルダーの合意が必ず必要になります。
ここでいうステークホルダーとはあなたの上司のように人材開発部門の担当者だけでなく、育成対象者が所属する組織の部門長
(例:営業本部長)なども含まれます。
一生懸命作成した研修企画がすんなり通らない理由はなんでしょうか?
断り文句として「今は予算がなくて…」をよくお聞きしますが、本当にそれが理由でしょうか?

研修企画書作成で陥りがちな3つのパターン

もしあなたが作成した研修企画書や提案をステークホルダーが承認してくれないとしたら、以下の3つのパターンに陥っていませんか?

1) 現場で起きている問題を解決するものになっていない
2) 研修の効果検証の計画が盛り込まれていない
3)単発施策の提案になっている

(もしかしたら、あなたの頭の中にはあっても「企画書の中に表現されていない」ということもあるかもしれません)

これらを満たせば、ステークホルダーを説得できる戦略的な人材育成プランを立てることができます。

1)現場で起きている問題を解決するものになっていますか?

ステークホルダーの反応:「この研修やっても現場では使えないよ。成果につながる気もしないし…」

研修内容を決めるステップは以下の流れになります。
① 事業目標を達成するために、社員が現場で求められている職務がある
② 現場で職務を実施する上で起きている問題がある
③ その問題を解決するために教育(研修など)が必要なパートがある
④ 教育の介入策(研修内容)を決定して、企画書を作成する

「うちの社員にはこのスキルが必要だ!」という思い込みで④からはじめてしまっていたり、
③が吟味されず「それって研修で解決できるの?」というテーマを取り上げてしまっていたりしませんか?
(一般的に研修で解決できるパフォーマンスの問題は20%以下と言われています)
「この内容を研修で取り扱うべきである。なぜらば…」という根拠(エビデンス)が含まれていないと、ステークホルダーは研修の必要性を感じてくれません。

2)研修の効果検証の計画は盛り込まれていますか?

ステークホルダーの反応:「この前も研修やったけど、あれって効果なかったよね?」

研修などを実施して、「効果がなかった」と、結果が明確に分かっているならまだ良いほうです。
「結果がどうだったのか、実はよく分からない…」という企業様も多いのではないでしょうか?

何らかの施策を実施するときには、効果検証(測定)の計画が予め必要になります。
研修実施の前に計画するのは、検証タイミングが研修終了後だけではないからです。
実施途中に期待する効果との解離が生じたとき、気づいて修正するための計画でもあります。

ステークホルダーに提案するときにも、効果検証の中身を含めておけば、無駄な投資(お金だけでなく時間も!)を防ぎ、
成果の確実性を確保しながら進める施策であることを示すことができます。
教育の効果検証、評価の手法については、カークパトリックの4段階評価モデルが有名です。

3)単発施策の提案になっていませんか?

ステークホルダーの反応:「1回研修したところで人って変わらないよ」「もっと全体像を知りたい」

どんなに質の高い研修でも、1回で劇的な効果を生むことはありません。

研修で成果を出すためには、以下の2点が不可欠です。
・研修後、現場での行動変容を後押しする仕組み
・現場での行動変容をモニタリングし、更なる向上に向けてサポートする体制

ステークホルダーに提案するときには、フォローアップの仕組みや体制の中身までを提示し、研修部分だけでない人材育成全体の設計を把握してもらうことが大切です。
この人材育成の仕組みを設計することをインストラクショナルデザインといいます。
⋙インストラクショナルデザインとは?

戦略的な人材育成プランを提案して、ステークホルダーが「是非、これやってよ!できるだけ早く!」に言われるような根拠(エビデンス)に基づいた
人材育成の仕組みを提案してみませんか?
困ったことがあれば、教育設計の専門家であるリープのインストラクショナルデザイナーに、ご相談ください。

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