PREP法とは?4つのステップで学ぶビジネスコミュニケーション術

パフォーマンス評価・設計, 人材育成

2025年1月30日更新

ざっくりのあらすじ
1. PREP法は「結論→理由→例→結論」の4ステップで構成される、ビジネスコミュニケーションを明確にする手法である
2. 最初の30秒が最も集中力が高いため、PREP法を用いて結論から述べることで聞き手の理解と記憶が深まる
3. PREP法はプレゼン、会議、報告、ビジネスチャットなど、多様なビジネスシーンで効果的に活用できる
4. PREP法をストーリー性や感情的な共感を重視する場面で用いると機械的になりすぎる欠点があり、その場合は補助的な使用が望ましい

  • 部下からの報告を聞いて、「何が言いたいの?」と感じた経験はありませんか?
  • プレゼンを聞きながら、つい眠気を感じたことはありませんか?
  • 上司に「もっと簡潔に!」と指摘されたこと、もしくは上司のあなたが部下にそう指摘したことはないでしょうか?

ビジネスシーンでこのような経験をお持ちの方は少なくないのではないかと思います。伝えたいことが上手く相手に伝わらないと、とてももどかしい気持ちになります。
それだけでなく、言葉による意思疎通がうまくいかないと、さまざまな問題も起きやすくなります。

特にビジネスシーンでは、ちょっとした誤解や捉え違いが思わぬミスやトラブルの元になることも少なくありません。

そんな時に、今回紹介する「PREP法(プレップ法)」がとても役に立ちます。
PREP法で伝えたいことを確実に伝え、対話を円滑にしませんか?

PREP法とは

PREP法は、「結論から伝え、それを補足する理由と具体例を提示したうえで再度結論を述べる」というコミュニケーション手法です。
具体的には、伝えたいことをPoint, Reason, Example, Pointという4つのパートに分けて順番に伝えることによって、要点を明確にし、論理的に話を展開することが可能となります。
PREP法
弊社(リープ株式会社)のサービスを題材に、PREP法の活用事例をお示しすると、次のようになります。

【PREP法が意識されていない会社紹介】

弊社では、インストラクショナルデザインを活用した教育サービスを提供しています。この手法は、社員教育やスキルアップを目的としており、多くの企業に導入されています。最近では、この手法を使った結果、社員の満足度が上がったという声も聞かれます。これによって業績が改善する可能性があると考えていますので、ぜひ導入をご検討いただきたいです。

上記の例があいまいな説明であることは言わずもがなお感じになられると思うのですが、具体的にどうあいまいなのか、PREP法の観点で整理してみましょう。

PREPの観点 あいまいになっている理由
P(Point) 結論が明確に提示されておらず、読者に何を伝えたいのかがわかりにくい
R(Reason) なぜその手法が有効なのかの理由が具体的に示されていない
E(Example) 「多くの企業が利用している」というだけで具体性がなく、説得力に欠ける
P(Point) 最後に顧客(聞き手)が取るべき行動や得られる価値について触れていない

それでは、PREP法を活用した例を見てみましょう。

【PREP法が活用されている会社紹介】

弊社は、インストラクショナルデザインを活用して社員の能力向上を図り、企業の成果向上を支援しています。なぜなら、社員の成果の違いを分析し適切な学習機会を提供することで、業務効率が向上するからです。例えば、ある企業では営業担当者のスキルギャップを可視化し、個別に対応した結果、営業成約率が20%向上しました。このように、インストラクショナルデザインを基にした学習プランは、企業の業績改善に大きく寄与します。

この紹介文をPREP法の観点で整理してみましょう。

PREPの観点 該当する文章
P(Point) 弊社は、インストラクショナルデザインを活用して社員の能力向上を図り、企業の成果向上を支援しています。
R(Reason) なぜなら、社員の成果の違いを分析し、適切な学習機会を提供することで、業務効率が向上するからです。
E(Example) 例えば、ある企業では営業担当者のスキルギャップを可視化し、個別に対応した結果、営業成約率が20%向上しました。
P(Point) このように、インストラクショナルデザインを基にした学習プランは、企業の業績改善に大きく寄与します。

いかがでしょうか。弊社のサービスがどのようなものかより簡潔でわかりやすくご紹介できたと思います。
このようにPREP法を意識することで簡潔かつ的確に相手に伝わります。

ビジネスシーンでのPREP法を用いるメリット

PREP法を用いるメリットを3つご紹介します。

メリット1 聞き手や読み手の理解が深まる

PREP法の流れは、聞き手や読み手の理解が深まりやすくなります。
また、人が話を聞くときは、始めの30秒がもっとも集中力が高いと言われています。ですから、その間に要点や結論を伝えてしまうことが有効なのです。

始めの結論で、具体例を聞く準備ができ理解しやすくなります。

メリット2 記憶に残りやすい

PREP法を使うと、手短にわかりやすく伝えられるため、記憶に残りやすいです。
忘れられる可能性も低くなり、依頼や提案もしっかり実行に移してもらえます。

メリット3 伝えたいことが確実に伝えられる

PREP法の流れは、伝えたいことが確実に伝えられます。
正確に伝わるため誤解も、誤解によるトラブルも起きにくくなります。

◆ビジネスでPREP法が効果的な場面の例

  • プレゼンテーション
    プレゼンテーションでダラダラと説明されると聴く姿勢が薄れていき、最終的には眠くなるなどコミュニケーションが断絶します。
    基本的に一方的に話すからこそ、簡潔に、結論から話すPREP法を活用しましょう。
  • 会議
    会議もプレゼン同様です。議論する場所でありますが、時間も限られている中で積極的なコミュニケーションを取って合意形成を図る必要があります。
    伝えたいことはPREP法で話せるように、事前に考えを整えて会議に臨みましょう。
  • 報告・提案 文書/メール
    忙しい上司への報告やクライアントとのコミュニケーションは、短くわかりやすい文章が重宝されると言えます。
    文章を書き始める前に、まずはPREPを使って文章構成を作って準備をしてみましょう。
  • ビジネスチャット
    現代ではビジネスにおいてもチャットでやり取りすることが当たり前になりました。
    チャットは短い言葉を相手と何度もやり取りしてコミュニケーションを取ることが重要です。
    PREP法で短く整えられた文章が最も活躍できる場面と言えます。

ビジネスシーンでのPREP法を用いるデメリット

PREP法は、話を簡潔にしやすい一方で、「話の展開が機械的になり、聞き手に感情的な共感を与えにくい」という側面もあります。
また、複雑な議論や創造性を必要とする場面では、柔軟性に欠ける部分もあるといえるでしょう。

◆PREP法の向かない場面の例

ストーリー性を重視するスピーチや長文

PREP法は要点を明確に伝えるため、スピーチや長文の中で結論や主張を伝える段階において効果を発揮しますが、一方で、ストーリー性や感情を重視する場面では、補助的な手法として使うのが適切です。こうした場面では、とくに「結論部分」でPREP法を活用しつつ、聴衆の共感を引き出す工夫を加えるとよいでしょう。

まとめ

コミュニケーションにPREP法を用いることで、相手にとって非常にわかり易く、最後まで聞いてもらえるような、簡潔で説得力のある話し方になります。
例えば、トップ営業マンやビジネスリーダーには、普段の会話でもPREP法が習慣付いている方も多くいます。

PREP法は「何を伝えるか」に加え、「どのように伝えるか」を意識する上で重要な手法であり、うまく活用できることは、ビジネスにおいて強い武器になりえます。顧客とのコミュニケーションはもちろんのこと、社内でのコミュニケーションの円滑化にも役立つといえるでしょう。

コミュニケーションが苦手だと感じている方、また、コミュニケーションが苦手な部下がいらっしゃる上司の方は、PREP法を取り入れ習慣化することで、報告や提案が効率化し、相手に伝わるメッセージの質が向上を目指すことができます。その結果、コミュニケーションの円滑化だけでなく、業績やチーム全体の生産性向上にもつながります。

ぜひ、さまざまなビジネスシーンで積極的にPREP法を活用し、効果的な対話を実現いただけたらと思います。

リープでは、営業担当者の商談スキルや、上司による指導力やコーチングスキルなど、ビジネスシーンにおけるコミュニケーションスキルの評価・分析・育成に関するサービスをご提供しております。社員のパフォーマンス向上やリーダー育成・マネージャー育成に関するお困りごとがありましたら、ぜひお気軽にお問い合わせください!

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