初めて自分で企画した研修を「ID」の理論で振り返ってみた

インストラクショナルデザイン, パフォーマンス評価・設計, 人材育成, 学習支援


社内で研修を実施する際に、設計もインストラクターも両方同じ人が行う、ということは多いのではないでしょうか。
自分の研修は客観的に振り返ることが難しく、課題を見落としがちではありませんか?

弊社の社員全員が「インストラクショナルデザイン」を完璧に出来るわけではありません。私もまだまだ学んでいる最中ですが、
「インストラクショナルデザイン」の観点で研修を振り返ることをおすすめします!
なぜなら、より「効果的・効率的・魅力的」な研修に近づけることが出来るためです。
今回は、私が初めて企画した「プレゼンテーションスキル研修」を振り返ってみます。

社内学習企画の中身

「インストラクショナルデザイン(ID)」とは、効果的、効率的、魅力的な研修を実現するために教育の設計を行うことです。
→インストラクショナルデザイン(ID)の詳細はこちら

弊社では社内学習企画を毎月実施しています。企画を始めるにあたり最初に決めたのが、
「メンバーの学びを習慣化し、学んだことを業務に活かせる」というコンセプトです。
コンセプトを基に決まったのが以下のルールです。

・講師は、社員全員が交代で担当
・テーマは、講師が社内で学ぶ必要があると感じ、自身が学びたいものをピックアップ
・研修コンテンツは、講師の研修に向けた自己学習(本、人、外部研修等)で作成
・講師が、必ず事前に、評価指標を作る。メンバーは自身のスキルチェックに活用する

「講師を担当する社員が一番学べる」というのが、この企画のポイントです。
また、弊社では、指標の数は自由ですが、研修前後の評価チェックは必須としています。


インストラクショナルデザインの理論で振り返る

次に、実際の研修の事例で振返ります。
第一回目では「プレゼンテーションスキル」について研修を行いました。私は元々プレゼンテーションが苦手でしたが、
社内でプレゼンテーションの特訓を行い、なんとか克服出来ました。
そこで、社内を見渡した時に全員が今後必要なスキルであり、足りないメンバーもいるのではないかと考え、学んだスキルを社内学習企画で共有することにしました。

この研修は「学習目標の明確化」において課題がありました。
学習目標を立てる際には以下の3つのポイントがあります。

1.行動で目標を表す
2.評価の条件を示す
3.合格基準を示す

この時の学習目標は「各々が自身のプレゼンテーションスキルにおける弱みを改善し、強みを伸ばすことが出来る」でした。
1番目の観点で振り返ると、具体的な行動で示されていません。2番目についても、条件の要素が含まれておりません。
3番目については、具体的な数字などが示されておらず、分かりづらいものとなっています。

この研修ではワークとして「プレゼンテーションスキルを上げるための『おはし』を作る」というものがありました。
『おはし』とは、避難訓練の際に学校などで教わった「おさない、はしらない、しゃべらない」の略でありますが、
プレゼンテーションスキルでもそれを作り日々活用することを目的としていました。
学習目標を修正する場合、
「プレゼンテーションスキルを上げるための自分の『おはし』を1つ以上作ることが出来る」の方が適切かと思います。
今後は「学習目標の明確化」の3要素を意識して、研修を企画する必要があると感じました。

一方、研修の動機づけにおいては出来ていたポイントがありました。
インストラクショナルデザインの考え方の中に「ARCSモデル」という学習意欲に関するモデルがあります。

Attention:注意「おもしろそうだな」
Relevance:関連性「やりがいがありそうだな」
Confidence:自信「やればできそうだな」
Satisfaction:満足感「やってよかったな」

プレゼンテーションの特訓後に社内の評価指標の基準に合格した証として、自分用のレーザーポインターをいただきました。
研修のアテンションの場面にて、その出来事が自分にとって「嬉しくトキメキがあるもの」であったことを紹介したところ、
メンバーの注意を引くことが出来、その後はインタラクティブに進めることが出来ました。
ただ、ARCSモデルの4つ目の「Satisfaction:満足感」までは到達出来ず、その点においては今後の課題です。

おわりに

自身で研修を企画したことで、「インストラクショナルデザイン」の要素を含める工夫が必要であると改めて実感しました。
また、振り返りを毎回必ず行うことで、自分自身もこの理論についてより知識を深めることが出来るのではないかと考えます。

今後、社内で研修を設計する際には、その内容が「効果的・効率的・魅力的」であったかをインストラクショナルデザインの視点で
振り返ることをおすすめします!

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