学びの現在地の確認をしていますか?

パフォーマンス評価・設計, 人材育成, 教育設計, 研修コンテンツ作成, 研修効果

皆さんは、地図を読むのは得意ですか?私は、苦手です。

しかし、現在は地図が苦手な私でもとっても便利なツールがたくさん出ています。それはナビ!!

スマホや車など、ナビ無しで生きることはもう難しくなってしまうくらい活用しています。

 

さて、そのナビですが、きちんと道順を案内してもらうために重要なことは何でしょうか?
一つは、目的地の入力ですね。行先ですから、当たり前ですね。では、もうひとつあるとすると何でしょう以下?それは「現在地」です。

正しい現在地でなければ、ナビはかえって不便なツールになってしまいます。

翻って、このナビを企業内教育・研修に置き換えて考えてみましょう。
企業内の教育・研修では、多くの場合その教育・研修の目標やゴールが紹介されるはずです。

それに向かって実施すれば完璧のように思いますが、意外と忘れがちだったり、きちんとできていなかったりするのが受講者や組織の「現在のスキル・知識の確認」です。

今回は、この「現在のスキル・知識の確認」つまり、“学びの入り口”についてのお話です。

ご参考「メーガーの3つの質問」で人材育成戦略を考える
↑IDのモデルの一つである『メーガーの3つの質問』を見ると、『1つ目の質問では目的地、そして、2つ目と3つ目の質問では、目的地に加えて現在地がわかる・わかっていることが必須!』であることがわかります。
ぜひこちらの記事もご覧ください!

学びの入口と出口はどこですか?

意外と忘れられてしまう学びの入口。あるいは、忘れてはいないけれど、正確に捉えられていないというケースも多いのではないでしょうか。

学びの入口とは、「学習者の現在の状態」

学びの出口とは、「学習者の理想の状態」

と言い換えることもできます。

出口については、これまでも目標設定など弊社のブログにたくさんの記事がありますので、本記事では割愛させていただきます。
下記をぜひご参考にしてください。

ご参考:
教え方にはルールがある!?「インストラクショナルデザイン」
育成や学習がうまくいかないのは「目標に問題アリ」かも!?
研修はテストとアンケートの両方でしっかり効果測定しよう!
社員の育成の「効率的」な設計方法とは?
部下の行動が変わらないのは目標設定の仕方が原因? “ふわっとした目標”を具体的にする3つのチェックポイント
「がむしゃらに勉強して学んで成長しろ!」上司からの叱咤激励……でも一体どこに向かって成長すればいいの?

ここでは入口についてを確認してみましょう!

① 前提条件:学習目標を達成するために、学習前にあらかじめ身に着けておくべきことや備えておくべき特性を満たしているか?
② 関連知識:学習する内容や関連する内容について、どの程度知っている(経験している)か
③ 学習意欲:学習意欲はどの程度か。興味はあるか、やりがいはあるか、自信をもてるかなど
④ 学業レベル:所属する部署のレベルや、一般的な知能レベルなど
⑤ 学習方法の好み:個別学習やグループ学習、利用するメディアの好みなど

学習設計マニュアル「おとな」になるためのインストラクショナルデザインp139 北大路書房 鈴木克明・美馬のゆり 著

こちらに示したような項目を知っていることで、出口までのギャップがわかり、ギャップを埋めるための方略を考える「学習設計」を作ることが出来るようになります。

しかし、ここで1つ問題がでてきます。
○・×やテストで測れないようなスキルを把握するときにはどうしたらよいのでしょうか?

○×テストでは測れないスキルレベルを把握する方法

テストでは、図ることが出来ないスキルについては、「ルーブリック」を用いて現時点のスキルレベルを把握する評価方法があるので、ご紹介します。

ルーブリックとは?

ルーブリック(Rubric)とは、学習して身についた行動のレベルについての目安を数段階に分けて記述して、その行動の達成度を判断する基準を示すものです。
これまでの評価法は客観テストによるものが主流を占めていましたが、知識・理解はそれで判断できたとしても、いわゆるパフォーマンス系(思考・判断、スキルなど)の評価は難しいとされていました。

ルーブリックの構成(例)

ルーブリックは、通常このように大きく4つに構成されています。

① パフォーマンス課題の記述(例でいえば、製薬企業のMRのディテーリング営業社員の商談スキルを評価するためのルーブリック)
② 評価観点・基準
③ 評価尺度
④ 評価基準(各段階における行動レベルの目安)

パフォーマンス系(思考・判断、スキル)の業務をする社員については、ルーブリックを作成して学習者の入口の状態をしっかり把握していくことが重要です。
入口がどこかしっかりと把握する=ルーブリックで評価を適切に実施することで、学習の出口までのギャップを埋めるために、どのような学習方略を取ればよいのかが見えてきます。

パフォーマンスをしっかりと評価することによって、教育をする側も、受ける側も、無駄な時間やパワー、あるいはお金を使わずに、効率的な学びを実現することが可能となります。

実際にルーブリックを作るにはどうすればよいのか?

実際にルーブリックを作るためには、大きく4つの段階がありそれぞれにポイントがあります。

第1段階:振り返り
第2段階:リストの作成
第3段階:グループ化と見出し付け
第4段階:表の作成

このような段階を経て自社に合ったルーブリックを作成したり、すでにその業種に特化したルーブリックがある場合はそちらを使用したりするなどして、しっかりと社員のパフォーマンスを評価し、効果的な教育・研修を実施することをおすすめします。

また、私たちリープ株式会社は、「自分たちでルーブリックを作ってみたい」「ルーブリックを作成してほしい」というお声にお応えしています。

ルーブリックや学習者の評価に関するお問合せは、下記までお気軽にお知らせください。

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