厳選!!内発的動機づけを高める方法2つ -製薬業界あるあるを添えて-
「とりあえず1日12件得意先を訪問してこい!」
「医師にキーメッセージを話したら、それを毎回日報入力しなさい!」
「このアンケート項目は、全ての得意先にヒアリングして、埋めてくること!」
「今回のWEB講演会は、誰でもいいから最低5人のクライアントに視聴確約をとってこい!」
「この資材を使って……」
MR(営業)の行動を測定・評価するために、もはや日常風景となっているKPI入力作業。
私は製薬企業のMRとして複数社に務めておりましたが、どの企業においても、上司より上記指示をもらい、それをSFAやCRMツールに毎日入力をしておりました。(製薬業界だとVEEVA入力がほとんどかもしれませんね)
MRとして、数字を上げるため、ひいては先生やコメディカルの皆様のお役に立つために活動しておりましたが、上記作業は苦痛を伴うことが多く、率先して行動することができませんでした。
「なんでこの件数を訪問する必要があるのだろうか。なぜこのデータは今更紹介する必要があるのだろうか」
そんな疑問が頭の中をクルクルする毎日。マーケティング部などが思料し、打ち出したKPIなのに、なぜ率先して行動できなくなってしまうのでしょうか。
皆様の所属する企業のMRは、率先して行動されておりますか?
なぜ行動しなくなってしまうのか
MRのみならず人が行動するためには、理解と納得が必要となります。
製薬企業の場合、定期的な研修が設けられているため、施策やデータの内容理解はされているかと思います。
一方、それをなぜ行う必要があるのか、なぜこのデータを使うのかといった、納得度に関してはMR一人一人に十分に腹落ちさせる時間が取れないことがあります。
内発的動機づけを高め、自ら納得度を高める工夫をすること
納得度を上げるための手段の1つとして、内発的動機づけを高めるアプローチがあります。
内発的動機づけとは、人が仕事そのものに感じる面白さや、やりがいのことを意味しており、外発的動機づけ(報酬を得る・昇格するなど)よりも動機づけする力が強いといわれております。
今回は、この内発的動機づけを高める方法として、2つに厳選してその内容を紹介させていただきます。
1 ARCSモデル
ID(インストラクショナルデザイン)の中でも、ポピュラーであり、LEAPブログでも何度かご紹介している手法となります。
この手法は、研修設計の際に受講者の学習意欲を上げるために取り入れられることが多いですが、むしろ受講者(今回の場合はMR本人)が業務について取り組み意欲を上げるための考え方としても大変有効です。
業務を行うにあたって、Attention(どこに面白みがあるのか)・Relevance(どこにやりがいがありそうか)・Confidence(やればできそうか)・Satisfaction(やってよかったか)を考えることで、業務内容を納得して取り組むことができます。
ご参考
ARCSによる動機づけで誤解しやすいポイント3選
相手の心を動かす4つのポイント「ARCS(アークス)」モデル
2 自己効力感を高める
自己肯定感と混同されることが多いですが、自己効力感とは、自分に対して確信、自信といったイメージが持てる状態を表し、物事に前向きに取り組み、困難にも耐えられるようになるための考え方です。
このイメージをつけるためには、ゴールとそこまでの道のりを具体的にイメージすることとが重要です。
今回の事例で考えてみますと、「1日12件得意先を訪問するためには、○○クリニックから訪問をスタートし、☓☓病院へ行けばできそうだな……」であったり、「キーメッセージは伝達後、先生が納得し、行動変容を約束してくれた場合に入力しよう。そうすれば、ただ発話するだけじゃないので、曖昧表現が無くなってクリアに情報提供行動できそうだな……」などと、納得感をもって活動することが可能です。
ご参考
育成や学習がうまくいかないのは「目標に問題アリ」かも!?
工夫次第で、納得して行動できるようになります。
納得感をもってもらう1つの方法として、内発的動機づけについてご紹介させていただきました。
当ブログでは、他にもID(インストラクショナルデザイン)の理論を紹介した記事を作成しておりますので、ご覧いただけますと嬉しいです。
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