「学びになった!(by受講者)」で研修成功?研修効果を適切に測り成果を可視化!

インストラクショナルデザイン, テスト作成, パフォーマンス評価・設計, 学習支援, 教育設計, 教育評価, 研修効果, 評価基準

リープに入社しインストラクショナルデザインの考え方を知る中で、
今までの自分が経験してきた「学び」を振り返る機会が増えたと感じている早川です。

以前勤めていた会社で、新人さんの研修を担当したことがありました。
1on1研修の終わりによくやり取りしていた会話があります。

研修のクロージングとしてありがちなやり取りにも見えますが、
このまま研修が終了して、本当にスキルが身に付いたといえるのでしょうか?

「面白かったからOK!」それで本当に成果に繋がるの?

私自身も研修受講後によく感じることなのですが

「新しい学びになったなあ~面白かった!」
「頭の中が整理されて理解できた!気がする!」

など、研修への満足度は◎

しかし、「面白かったからOK!」……それだけでよかったのでしょうか?

「頭では理解したつもりなんだけど、実際スキルは身に付いたんだっけ?」

その場の研修満足度以上に重要なのは、研修目的である「学習目標」を達成することのはずでした。
ご参考学習目標の明確化

 

本当の意味で「成果のある研修だった」というためには、研修効果を評価し検証することが必要なのですが、私が担当していた研修には抜けていました。
それは研修成果を可視化すると同時に、研修の課題を浮き彫りにし、より効果的で効率的な研修設計にも役立ちます。

ということで今回は、研修の効果測定に使える!
教育評価の伝統的な測定法「カークパトリックの4段階評価モデル」に沿って、私がかつて実施した新人さん向けの研修を当てはめて改善方法を考えてみました!

カークパトリックの4段階評価モデルで研修成果を適切に把握!

カークパトリックの4段階評価法(カークパトリックモデル)とは、1954年にドナルド・カークパトリックにより提唱された、教育の評価法をまとめたモデルです。

教育効果を評価するには4つのレベルがあり、それぞれに適切な時期、方法をもって評価を行います。
また、その4つのレベル(反応、学習、行動、結果)によって、見えてくる評価結果も変わります。
【レベル3行動】、【レベル4結果】に関しては、自身の行動変容、会社の業績向上度まで測ることのできる画期的なモデルです。

リンク研修はテストとアンケートの両方でしっかり効果測定しよう!

研修による受講者の反応や学習達成度という観点で考えた場合、
研修直後に【レベル1反応】と【レベル2学習】の評価を実施します。

 

例えば、新人さん研修「マーケットデータ作成研修」の場合……

まずは、【レベル1反応】

受講者アンケートを実施し、受講者の反応を確かめます。
研修への感想や満足度はもちろん、内容の不明点をキャッチアップし、早急にフォローすることを目的に実施したいところです。

アンケート設問例:

□ツールを使ってマーケットデータ作成し、そこからエリアニーズを考察した資料を作成することができましたか?(学習目標達成に対する自己評価)
□今回学んだスキルは日ごろの業務のどんな場面で役立つと思いますか?
□研修内で最も難しいと感じたセクションはどこですか?
□不明点や疑問に思うところはありませんか?
など

【レベル1反応】は、Googleフォームなどのアンケート機能を利用し、比較的取り組みやすく、評価しやすいなと感じました。

でもそれだけでは「面白かったからOK!」止まり。
いくら新人さんの反応が良くても、十分にスキルが身に付いたかどうかは分かりません。

インストラクショナルデザインにおいて中心軸として実施すべきは【レベル2学習】。
研修における「学習目標」の達成度を研修後のロールプレイやテストなどで測定します。

評価方法のアイデア例:

□作成ツールを使用し、10分以内でマーケットデータ作成するタイムトライアルテスト
□実際のクライアントから依頼を想定し、マーケットデータの作成、考察、提案ロールプレイ実施
など

でも新人さんの気持ちを考えると「テストって嫌だなあ……」と思われそう。
研修担当としても「ネガティブに反応されそうと……」と、尻込みしたくなるところです。

ですが、【レベル2学習】において、ロールプレイやテストを実施し検証することは新人さんの達成度を確認すると同時に、研修設計自体の評価、検証することにもなります。

今後も実施していくであろう研修の問題点を洗い出し、効果的に設計、修正していくために必要不可欠なプロセスが抜けていたと反省しました。

また、テストを実施し、達成できたこと、できるようになったことを新人さんにフィードバックすることで、自信を持つことが出来、今後の業務に安心して臨んでいただくこともできると思います。


この様に、過去の研修を振り返ってみると、「研修して終わり!教えて終わり!」の研修をする側が主語の「やりっぱなしの研修」をしていたことに気づきました。

受講者が主語の研修にするために、学習目標の到達度で見る【レベル1反応】【レベル2学習】の評価を実施し、研修の振り返りや次の施策を検討してきたいと思います!

本記事のまとめ

今回は研修評価の伝統的モデルである、カークパトリックの4段階評価法(カークパトリックモデル)をインストラクショナルデザインの観点でご紹介いたしました。

「早速、次の研修後に【レベル2学習】観点で事後テストや評価を実施したい!」と思って具体的に考えようとすると、

「どうテストすることが適切なのだろうか……?」
「何を指標に評価すればいいのだろうか……?」

と悩んでしまうところです。

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