結果主義では目の前の課題を解決できない!? 成功する組織は「関係性の質」を高めている

ビジネススキル, フレームワーク, 人材育成, 商談力, 対話の構造

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昨今は成果主義が浸透し、ビジネスにおいては業種・業界問わず「仕事は結果がすべて。プロセスは関係ない」と考える人も多くなっているかと思います。しかし、プロセスを振り返り、上司や部下、クライアントとの関係性をこまめにアップデートしていくことが、成功する組織を生み出し、維持していくために必要不可欠となっていることも事実です。

そして、関係性を高めるにはコミュニケーションの起点である「対話」に着目することも重要で、効果的に対話を重ね、関係性を進化させられる組織しか、成果を出し続けることはできません。

弊社の技術アドバイザーである東京都立産業技術大学院大学教授・工学博士の越水重臣先生によると、「成長する組織は、まず関係性の質を向上させることに力を入れている」と言います。品質工学やイノベーションデザインを専門とする越水先生がビジネスのシーンでも応用できるメソッドとして挙げるのは「成功循環モデル」です。

 

結果にこだわりたいなら、まずは「関係性の質」にこだわる

「成功循環モデル(Core Theory of Success)」とは、マサチューセッツ工科大学のダニエル・キム教授(Daniel Kim)が提唱している組織を活性化させるためのシステム的なアプローチの理論です。

組織が進化・成長していくためには、まずは個々の思考の質、行動の質を上げる必要があります。すると、結果の質が上がり成果に結びつきやすくなります。結果の質が上がった組織は、おのずと関係の質も高くなります。関係の質が高くなれば、思考の質や行動の質も高くなり、好循環が生み出されるのです。この好循環が組織の成功への原動力を高め、持続的な成長をもたらすことにつながります。

ここで注意すべきポイントは「結果の質」です。活性化していない組織ほど成果を上げようとし、「結果の質」を起点にプロジェクトを立ち上げがちです。しかし、目先の数字に執着するがあまり成果が出ず、以下のような悪循環に陥ることが散見されます。

例えば営業であれば、結果を出すために強化営業訪問先一覧を改訂し、日々の報告を義務付けるとします。すると、心理的安全が確保されず「関係の質」が悪化、メンバーは仕事を面白いと感じられなくなります。自ら考えることを止めて受け身になり、「何をやっても無理だ」というあきらめの状態になることで「思考の質」も下がります。そうなると、もはや自発的・積極的に行動する組織ではなくなり、「行動の質」が低下。もちろん成果は出ません。つまり、営業活動を活性化させて業績を上げるつもりが、逆に「結果の質」の悪化を招いてしまうのです。

成果創出の好循環を生み出す対話力

それでは、進化・成長する組織は何に注力しているのか。それは、「関係性の質」なのです。
好循環が生み出されるのは、具体的に以下のような場合です。
グッドサイクルは、「関係の質」を高めるところから始まります。まずメンバーの相互理解を深め、お互いを尊重。一緒に考えることで気づきや面白さを感じることができ、「思考の質」が向上します。すると、メンバーが自発的に考えて積極的に行動を起こすようになり、「行動の質」も向上します。その結果、「結果の質」が高まって成果が得られ、その実績がメンバーの信頼関係強化にもつながり、「自分はなんて素晴らしい仲間に恵まれているのだ!」と感じることで、関係性の質がさらに高まり、好循環が生まれるようになるのです。

特に、上司と部下、同僚同士、営業担当者と顧客など、ビジネスの文脈においてはこの関係の質の向上は、成果への寄与が大きいと考えられています。特に営業担当者の商談やMR(医薬情報担当者)の情報提供においてもこのグッドサイクルは、成果に結びつきやすく、「対話の質が上げることが関係の質を改善し、成果創出につながる」と越水先生も考察しています。

対話力を向上させることが部下や組織の未来を変える

変化変容の激しい情勢において、短いスパンで個々の業績改善、組織の成果を求められる場面は増えています。しかし、ダイレクトに結果を追い求めるのではなく、組織を俯瞰でとらえ、まずは一対一のコミュニケーションである「対話」を見直すことが、成果を出し続ける組織に生まれ変わる近道となります。

越水先生は、これらのことを踏まえ、ビジネスの文脈の中で「成果を生み出す」には対話力向上が必須であり、さらに、これはストーリーモードや論理モードなど思考力を育むと上でも重要だと示唆されています。しかしながら、この対話力向上につながる学びが、これまでの社会人教育のみならず学校教育でも十分に行われていなかったと振り返っておられ、今後は、この対話力に着目し、論証構造を意識した学びが必要だとお話しされています。

リープでは、営業活動や部下指導など一対一のコミュニケーションを可視化し、客観的かつ有用性の高い評価指標を用いて分析することで、対話の質向上すなわち組織の関係性の質向上につながるトレーニングやマネージメントのお手伝いをしています。

人材育成に大切なのは、熱血指導でも根性でもなく、最適な仕組み作りです。リープは皆さまのお悩みを解決し、好循環を生み出す組織に生まれ変わらせるサポートを全力で行っております。

越水先生の詳しい考察は、弊社代表・堀との対談動画として、YouTubeチャンネル内でご覧いただくことができます。「成功循環モデル」はもとより、リープのトレーニングで用いられる論証構造のビジネスにおける重要性、ビジネスシーンでどのように対話を活用すべきかを分かりやすく解説していますので、一度ご覧いただき、組織・部署の改善の一助にしていただけましたら幸いです。

ちなみに、リープではYouTubeチャンネル「リープ【OCL】オシエル ch,」にて、インストラクショナルデザインや教育設計にまつわる動画コンテンツを多数公開しております。気分転換やアイデアが浮かばない時など、気軽にアクセスしてみてください。

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