2026.07.15

人材育成 / コーチング / セミナーレポート / パフォーマンス評価・設計 / 教育設計 / 教育評価

【質疑応答】HRカンファレンス2026春~ご聴講者様からのご質問にお答えします~

杏林製薬株式会社・狩野京子氏とリープ株式会社・堀が登壇した「HRカンファレンス2026春」では、評価を軸にした人材育成の仕組みと、杏林製薬での実践事例をご紹介しました。

終了後のアンケートには、現場で育成施策を進める上での具体的な質問が数多く寄せられました。

本ページでは、その中から特に多かった問いを取り上げ、教育担当者の配置・育成、評価指標の設計、マネジメント層の巻き込みという観点から回答します。

▼ セミナー本編の内容(レポート)はこちら

Q1.専任の教育担当者を置けない場合、兼任でも成立しますか?

A.兼任でも成立します。ただし、各チームに1人ずつ置くのではなく、複数チームを束ねた単位で代表者を立てるなど、役割設計が重要です。

教育担当者を専任で置けない場合でも、兼任で運用することは可能です。鍵になるのは、教育担当者をどの単位で配置するかです。

たとえば、各チームに1人ずつ置くのではなく、3〜4チームを束ねたまとまりに代表者を1人立てます。本社から役割を付与されること自体が本人の動機づけになり、代表者同士の横のつながりも生まれていきます。

Q2.知識伝達からスキル定着まで担える教育担当者をどう配置・育成すればよいですか?

A.成果を出している人を選ぶだけでは不十分です。育成への意欲、現場からの信頼、自分の実践を言語化して他者に伝える力が重要です。

現場教育を「知識を伝える場」から「実践できるスキルを定着させる場」へと進化させるには、教育担当者の選び方と育て方が重要になります。

1. 教育担当者の選任基準

必ずしも営業成績や業績が突出して高い人材である必要はありません。人を育てることへの関心や適性、対象者の成長を支援したいという意欲が重要です。一方で、実務を続けながら兼任する場合には、組織が定める一定以上の評価基準を満たしていることも望まれます。

2. 育成方法の工夫

知識とスキルは地続きのものとして捉える必要があります。知識を伝えて終わる教育ではなく、実践し、フィードバックを受け、再び試すところまで含めた設計が必要です。教える側にも、TTT(Train the Trainer)などを通じて指導法を学ぶ機会を設けます。

3. 実践的な指導スキル

教育担当者には、教え方だけでなく、関係者を巻き込みながら現場を動かす力が求められます。現場から相談されやすく、困難な課題に対して的確な助言や実践支援ができることも大切です。

Q3.評価指標や目標設定を、現場の納得感につなげるにはどうすればよいですか?

A.評価指標を置くだけでは不十分です。現場がどう受け止めるか、本人にどんな意味があるか、組織へどう広げるかを一体で設計する必要があります。

1. 評価指標と現場感覚のギャップを埋める

すでに高い成果を出している社員に新たな指標を一律に当てはめると、これまでのやり方を否定されたと受け止められる場合があります。最初は新人・若手・立候補者など、変化に前向きな層から小さく始めることが有効です。

2. 育成成果を自分事化する目標設定

一部の上位者だけを伸ばすのではなく、組織全体の水準を引き上げる視点が必要です。スキル向上が本人の将来やキャリアの選択肢につながると意味づけられることで、育成は自分事になりやすくなります。

3. 組織全体への展開方法

参加人数や進捗を可視化することは有効ですが抵抗感も生まれます。競争を強く促すよりも、拠点責任者にその意義を十分に理解してもらうといった巻き込みを重視する方針へ調整することが重要です。

Q4.マネジメント層を巻き込み、コーチングスキルを定着させるにはどうすればよいですか?

A.現場マネジャーだけに任せるのではなく、上位マネジメント、教育担当者、運営側が連動して、日常の指導行動に落とし込むことが重要です。

1. 意識改革と巻き込みの工夫

現場マネジャーは多忙であり、新たな施策に抵抗感を持つことがあります。一方的に説明するのではなく、対話を重ねながら課題認識をそろえ、納得感を形成します。導入初期には、直属の上司ではなく上位マネジャー、教育担当者、運営側で先に目的をすり合わせる方法も有効です。

2. コーチングスキルの定義

コーチングを特別な手法として押し付けず、上司が日常的に行っている会話や指導の延長として位置づけます。既存の実践を可視化し、評価基準表を用いて指導の癖や抜け漏れを振り返れるようにします。

3. マネジメント層へのリソース投資

現場マネジャーだけでは踏み込みづらい課題には、上位マネジメントや経営層の後押しが必要です。数年後の組織のあり方や市場環境の変化を語り、育成方針を組織の明確な方針や評価項目に位置づけることが重要です。

「現場で人材育成を進めるためのQ&A」の内容はいかがでしたか?
リープは、評価設計から現場への導入・運用まで、一貫してご支援します。

本ページでご紹介した各回答の具体例を知りたい、人材育成の課題の整理をしたい、その他人材育成に関する具体的なご相談も受け付けております。どうぞお気軽にご相談ください。