物事を無批判に受け入れるのではなく、論理的・客観的に吟味し、深く考察する思考法です。これからの時代に求められる「21世紀型スキル」の思考方法の一つとしても位置づけられており、問題解決や意思決定を行うための基礎となる重要な能力とされています。
教育やHR領域においては、単なる知識の暗記ではなく、根拠のある論理的な主張に基づいて議論を組み立てる力や、多様な視点から物事を捉え直す力として重視されています。
用語集
クリティカルシンキング
概 要
解 説
クリティカルシンキングを実践し、他者を納得させるための代表的なフレームワークとして「三角ロジック(論証構造)」があります。
三角ロジックは、論証を論理的に組み立てるための以下の3つの要素で構成されます。
主張(結論):自分が伝えたい意見や結論。
データ(事実):主張を裏付ける客観的な事実、データ、証拠。
論拠(理由づけ):データがなぜ主張を導くのかを説明する因果関係や原理原則。
この論証構造を意識することで、「なぜそう言えるのか(論拠)」「証拠は何か(データ)」が明確になり、説得力のあるコミュニケーションが可能になります。
クリティカルシンキングが必要とされる理由には、以下の3点が挙げられます。
・本質的な課題の発見と解決のため
与えられた情報を鵜呑みにせず、「本当にそうか?」「他の見方はないか?」と問い直すことで、表面的な事象にとらわれない本質的な問題解決が可能になります。問題に内在する因果関係を理解し、適切な説明を行う力を養います。
・説得力のあるコミュニケーションのため
三角ロジックなどの論証構造を用いて、証拠や理由に立脚した説明を行うことで、ステークホルダー間の合意形成や円滑な意思決定が進みます。
・変化の激しい環境への適応のため
既存のやり方や過去の経験に過度に依存して判断を誤る「ベテランバイアス」を防ぎ、状況全体を考慮して複数の選択肢を探す「探究心」や、信頼できる情報を活用する「客観性」が養われます。
用 例
・研修担当
今度の次世代リーダー育成研修で現場の複雑な課題を扱うグループ演習を行う予定ですが、最近の若手候補者は情報収集は得意なものの、そこから自分なりの結論を導き出したり、異なる意見をまとめたりするのに苦労している印象があります。
・研修部部長
そうだね、そこが課題だね。それなら、グループ演習の前に「クリティカルシンキング」を学ぶセッションを設けてみてはどうだろうか。
・研修担当
クリティカルシンキングですか。具体的にはどのようなことを教えればよいでしょうか?
・研修部部長
例えば、「三角ロジック」を用いた論証構造の組み立て方を扱うといい。主張、データ、論拠をセットで整理するフレームワークを学ばせるんだ。
・研修担当
なるほど。そのフレームワークを意識させることで、「なぜそう言えるのか」「証拠は何か」が明確になり、説得力のある提案ができるようになるわけですね。
・研修部部長
その通り。証拠や理由に立脚した論理的思考態度が身につけば、経験や勘だけに頼らない、筋の通った問題解決ができるようになる。実務にも直結する非常に重要なスキルだよ。