職務をしっかり遂行するための「力量」であり、成功するパフォーマンス(高い成果)に帰結する個人の行動特性のことです。 人材育成においては、「理解しているか」といった曖昧な基準ではなく、「現場で実際にどのような行動がとれるか」という具体的な職務遂行能力として定義されます。カリキュラムや研修の出口(アウトカム)を明確にするための人材像の指標として用いられます。
用語集
コンピテンシー
概 要
解 説
企業内教育や人事評価において、コンピテンシーは以下のように活用されます。
・コンピテンシーリストの策定
研修や教育課程を設計する際、修了者に求められる職務遂行能力を一覧化した「コンピテンシーリスト」を作成し、ゴールを明確にします。世の中には、インストラクショナルデザイン(ID)の専門家向け(IBSTPIが策定したものなど)や、人事プロフェッショナル向けなど、国際的な標準指標として公開されているものも多数存在します。
・習熟度のレベル分け
コンピテンシーは、例えば「知識がある・少し経験した(ベーシック)」「一人前でできる(インターミディエイト)」「他人に教えられる(プロフィシェンシー)」のように、3段階程度の習熟度レベルで定義します。あまり細かくレベル分けしすぎると、自己評価や上司からの評価がブレてしまうため、シンプルで分かりやすい基準にすることがポイントです。
・ポートフォリオ等を用いた評価と自己成長の促進
定義されたコンピテンシーごとに、学習者自身が「自分の達成度はどのレベルか」を自己評価し、その証拠(エビデンス)となる学習成果物や実務経験をまとめる仕組み(eポートフォリオなど)を導入することで、自律的な成長と振り返りを促すことができます。
用 例
・研修担当
最近、現場のマネージャーから「若手の育成目標が曖昧で、何を基準に指導や評価をしていいかわからない」という相談をよく受けます。
・研修部部長
それなら、各職務において成果を出すための行動特性、つまり「コンピテンシー」を明確に定義してみてはどうだろうか。
・研修担当
コンピテンシーですか。具体的にはどのように作ればよいのでしょうか?
・研修部部長
例えば、高い成果を上げているハイパフォーマーの行動を分析して、その職務を遂行するのに必要な「力量(知識・スキル・態度)」をリスト化するんだ。
・研修担当
なるほど。ただスキルを羅列するのではなく、段階的にレベル分けをしておくと評価しやすそうですね。
・研修部部長
そうだね。例えば「知識がある」「一人でできる」「他人に教えられる」の3段階くらいに設定すると、細かすぎず、自己評価も上司の評価もブレにくくなるよ。コンピテンシーを明確に定義すれば、マネージャーも「この部下には次にどのレベルの経験を積ませるべきか」が分かりやすくなり、現場での指導がずっとスムーズになるはずだ。