人材を消費・管理すべき「資源(リソース・コスト)」としてではなく、投資によって価値が伸び縮みし、新たな価値を創造する「資本(キャピタル)」として捉える経営のあり方です。 経済産業省の「人材版伊藤レポート」などでも推進されており、経営戦略と人材戦略を密接に連動させ、人材への投資を通じて企業価値の最大化を目指します。
用語集
人的資本経営
概 要
解 説
従来の「人的資源管理」がいかに人材を効率的に管理・配分するかに焦点を当てていたのに対し、「人的資本経営」では、人材のスキルや能力は投資によって伸ばすことができるものと考えます。企業内教育においては、以下のような視点が求められます。
・経営戦略と人材育成の連動
教育を単なる福利厚生やコストとみなすのではなく、「会社がどのようなビジネスゴールを達成したいのか」から逆算して、社員に必要な行動(パフォーマンスゴール)を定義し、育成計画を立てます。
・HPI(ヒューマンパフォーマンスインプルーブメント)の実践
人的資本経営の理念を絵に描いた餅にせず、組織に実装するための実行手法として「HPI」の枠組みが非常に有効です。経営課題からパフォーマンスギャップを分析し、適切な教育的介入を行うことで事業成果に結びつけます。
・経営層のコミットメント
変革のイニシアチブは人事部だけでなく、経営陣や取締役会が中心となって取るべきだとされています。
用 例
・研修担当
最近、経営層から「うちの研修は本当に事業の成長に貢献しているのか?教育投資の効果を示してほしい」と厳しく問われることが増え、どう説明すべきか悩んでいます。
・研修部部長
それは経営層が「人的資本経営」へ舵を切ろうとしている証拠だね。人材を消費する『コスト(資源)』ではなく、価値を生み出す『資本』として捉え、そこに投資をして企業価値を高めようとしているんだ。
・研修担当
人的資本経営ですか。だとしたら、私たち研修部門はどう応えればよいのでしょうか。
・研修部部長
これまでは「現場から要望があった研修を実施して、満足度が高ければ良し」としていたかもしれない。でもこれからは、会社の「ビジネスゴール(経営目標)」から逆算して、社員にどんな行動を求めているのかを定義し、そのギャップを埋めるための教育を設計しなければならない。
・研修担当
なるほど。経営戦略と人材育成の戦略を密接に連動させることが求められているのですね。
・研修部部長
その通り。そのための具体的なアプローチとして「HPI」という枠組みがあるんだ。次は、自社の経営課題から逆算して、本当に成果につながる育成の仕組みを一緒に考えてみよう。