ウォルター・ディックらが提案した教材開発のプロセスを示したモデルです。 鈴木(2004)。
どこを目指すのか(教育目標=ゴール)が決まっている場合で、短期間コースの教材や授業(研修)をデザインする場合に参考になります。ID初心者を対象とする場合に広く用いられているモデルです。一方で、手順を示されていますが、各段階で何を使うかは該当する道具(IDの知見)を把握する必要があります。
用語集
教材のシステム的開発モデル
概 要
解 説
このモデルは、教育目標の設定から評価までの過程を包括的に考慮するもので、以下の手順で進められます。
1.教育目標の確認と性質の明確化:
ガニェの学習成果の5分類を踏まえて、具体的な教育目標を確認し、その性質を明確にします。
学習者が掌握すべき知識、スキル、態度などを特定します。
2.前提行動の確認:
授業開始時に学習者が既にできること(前提行動)を確認します。
学習者の既存の知識や能力をベースに教育目標を達成させるためのスタート地点を特定します。
3.ギャップ分析:
教育目標と前提行動の差異(ギャップ)を特定し、学習者がどのような成長や変化が必要かを把握します。
ギャップの明確化によって、効果的な教育プランの立案に役立ちます。
4.教授方略と教材設計:
学習目標の順序や教授方略をデザインします。
教育目標を達成するための指導戦略や手順、教材の構造などを計画します。
5.教材および指導案の開発:
設計した教授方略に基づいて、具体的な教材や指導案を開発します。
教育目標に向けた学習を促進するためのリソースや活動を具現化します。
6.評価:
実際の教育実践において、教材や指導案の効果を評価します。
学習者の理解度や達成度を確認し、教育目標が適切に達成されているかどうかを検証します。
このモデルは、教育目標を設定し、それに基づいて教育活動を計画・開発し、最終的に評価するプロセスを追求しています。近年では、より複雑で包括的なモデルへと進化し、ニーズ分析なども組み込んでいます。
参考文献
鈴木克明監修 市川尚・根本淳子編著 「わかりやすさ」の道具 インストラクショナルデザインの道具箱101 p 118