用語集

HPI

概 要

組織のビジネス目標から逆算して、従業員に求められる理想の行動と現状とのギャップを特定し、その根本原因を分析した上で、教育的および非教育的な解決策をシステム的に設計・実施するパフォーマンス向上のための枠組みです。

解 説

HPIは、従来のように「とりあえず研修を実施する」のではなく、事業の成果を出すことを最終目的と捉える実践的なアプローチです。パフォーマンス分析や原因分析を通じて、理想の職務行動と現状とのギャップを特定し、その根本原因を突き止めます。 実務では、パフォーマンスが上がらない原因が「知識やスキルの不足」であればIDに基づく研修(教育的介入)を提供します。しかし、もし原因が「環境やツールの不備」などであれば、業務改善などの非教育的介入を提案し、真に組織の課題解決につながる施策を選択します。

【考え方のステップ】
・ビジネス分析:組織が達成すべきビジネスゴールや経営課題を明確にします。
・パフォーマンス分析(ギャップ分析):ビジネスゴールを達成するために社員に求められる理想の行動(パフォーマンスゴール)と現状とのギャップを特定します。
・要因分析:ギャップが生じている要因を探ります。原因は「知識・スキル不足」だけでなく、「ツールや環境の不備」「業務プロセス」「上司からのフィードバック不足」「評価・報酬制度の問題」など多岐にわたります。
・介入策の選択と設計:「知識・スキル不足」が要因であれば研修などの「教育的介入(ID:インストラクショナルデザインの活用)」を行い、それ以外であればツールの導入や業務改善などの「非教育的介入」を行います。
・実施と評価:施策を実行し、ビジネス成果につながったかを評価してPDCAを回します。

多くの企業で「研修をやっても現場の行動が変わらない」という課題がありますが、HPIの視点を持つことで「そもそも研修で解決すべき課題なのか」を見極め、真に成果につながるアプローチを選択できるようになります。

参考文献

鈴木 克明(2015) 『研修設計マニュアル』
R.A.リーサー,J.V.デンプシー / 鈴木克明,合田美子 監訳(2013)『インストラクショナルデザインとテクノロジ』