Return on Investment(ROI)は、投資対効果、投下資本利益率、あるいは投資収益率といった訳語で知られています。これは、特定の投資に対する収益の割合を示す財務指標であり、以下の式で算出されます。
(研修の金銭的価値ー研修費用の合計値)/研修費用の合計値
用語集
ROI
概 要
解 説
研修におけるROIを計算する際のアプローチは、研修の目的や効果を明確にし、研修前・実施中・研修後に様々なデータを収集することにあります。具体的な手順は以下の通りです。
1.目的の確認と評価観点の設定
研修の目的を明確にし、どのような成果や変化を期待するかを確認します。これに基づいて評価の観点を設定します。
2.データ収集
研修前、実施中、研修後に様々なデータを収集します。これには、参加者のフィードバック、スキル向上の評価、業績の変化などが含まれます。
3.金銭的価値の算出
成果のデータから、研修による具体的な貢献を切り出します。これを金銭的価値に換算します。例えば、生産性向上、コスト削減、売上増加などが考えられます。
4.インタンジブル効果の報告
金銭的価値に換算できなかった効果(インタンジブル効果)についても報告します。これはROIの算出式には含まれませんが、研修の全体的な効果を理解する上で重要です。
5.効果の分離問題への対応
研修が生み出す金銭的価値が他の要因にも影響されている場合、その効果を分離することが困難です。この問題に対処するためには、研修以外の要因をコントロールするためのデータ収集や統計的手法が必要です。
研修におけるROIの計算は、特に金銭的価値を算出する際には複雑な要因が絡むため困難が伴います。しかし、慎重な計画と評価の実施により、研修が組織に与える効果を客観的に把握し、戦略的な意思決定に貢献することが可能です
参考文献
鈴木克明 (2015) 研修のメリットを主張する 研修設計マニュアル 北大路書房 p62