学習全体に「1つのストーリー(シナリオ)」を導入し、そのストーリーの文脈に沿って複数科目の学習を進め、統合的に課題をこなしていくカリキュラム設計の手法です。 人間は「基礎からの積み上げではなく、実際にやってみて失敗しながら学ぶ(Learning by doing)」というGBS(Goal-Based Scenarios)理論の考え方を踏襲しつつ、それを1つの科目にとどまらずカリキュラム全体へと拡張(スケーラビリティを確保)するために開発されました。
用語集
SCC
概 要
解 説
「作り込まない」設計によるコスト削減と拡張性
従来のシミュレーション型eラーニング教材は開発コストが莫大でしたが、SCCは「動的なコンテンツを作らず静的HTMLのテンプレートを用いる」「フィードバックはコンピュータ内に実装せず人間(メンター)が行う」「既存の教科書やWebリンクなどを情報源として使わせる」といった設計指針を持ちます。これにより、GBS教材の10分の1以下のコストで大規模なシナリオ型学習を実現します。
将来の業務(出口)から逆算した文脈の付与
基礎から順に教えるのではなく、将来就くと思われる仕事の状況(現実的な課題)を最初に見せます。例えば「架空の企業に入社した新人」という役割を与え、「上司からメールで業務指示が届き、その任務を遂行してレポートを提出する」という文脈の中で各科目の勉強をさせます。これにより、基礎知識が実際の仕事でどう役立つのかをイメージさせながら学ばせることができます。
複数科目の統合と実践力の育成
科目ごとに独立して学ぶのではなく、1つのストーリーの中で複数科目の知識を複合的に用いる機会を得るため、実社会で使える実践的なスキルの育成やスキルの転移に効果的です。国内では、熊本大学大学院のeラーニング専門家養成プログラムなどで導入・実践されています。
参考文献
鈴木克明監修 市川尚・根本淳子編著 「学びやすさ」の道具 インストラクショナルデザインの道具箱101 p58