部下のスキルとパフォーマンス向上を促進!GROWモデル

コーチング, マネジメント, 人材育成, 商談力

コーチングは、キャリア支援のみならず、業務上のスキルを伸ばす、出来るスキルを増やす業務で必要なパフォーマンスを向上させるといった、具体的なスキル育成やパフォーマンス向上の支援の場面でも使うことができます。

部下のスキル育成を目的としたコーチングに活用できる、基本的なフレームワークである「GROWモデル」を改めて意識・実践し、スキル育成のためのコーチングを実践してみませんか?

GROWモデルとは?

GROWモデルとは、上司が部下を「自発的」に考えさせ、行動させるための気づきと学びのサイクルを回すコーチングの基本スキルです

Goal(目標設定)→Reality(現状把握)→Options(選択肢の検討)→Will(意思確認)の頭文字をとって「GROW(グロー、グロウ)モデル」と呼ばれています。

漠然とした目標から向かうべき目標を明確にし、目標に到達するために現状をしっかり把握し、その上で考えうる選択肢を洗い出し、意志を持って取り組むよう、具体的な行動へ促します。これら一連のプロセスを整理し、体系化しているのがGROWモデルです。

特にコーチングに不慣れな方は、初めのうちはGROWの順に、部下に質問を投げかけていく事を意識すると良いでしょう。

GROWモデルで実施する内容を簡潔にまとめると下記のようになります。
ご参考までに、「商談スキル向上のためのコーチングを行う場合の事例」も載せております。

G:Goal(ゴール)

今回のコーチング(スキル指導)の目的を伝達し、あるべき姿を部下と共有します。
あるべき姿は、数値的なKPIや成果だけでなく、どんな状態になりたいのか、どんな能力を身につけたいのかなど、成果を出すために必要な姿をイメージすると良いでしょう。

上司
上司
「今日は、あなたの商談スキル向上のためのコーチングを行います」
「あなたの商談における目標は何ですか?」
「目標に到達するための具体的な行動のイメージを教えてもらってもいいですか?」
「ゴールを達成した時のことを頭の中で絵にできますか?それはどんな絵でしょうか?」

R:Reality(現状把握)

部下が主体的に振り返りできるような問いかけをして、部下の振り返りを促します。現状把握はあるべき姿とのギャップを意識できるように、どのくらいギャップがあるのか、どの項目にあるのかを整理しましょう。

上司
上司
「今、すでにうまくいっていることは何ですか?」
「現状、取り組んだこと、取り組んでいることはどんなことですか?その反応はどうですか?」
「現状できていること、できていなことを教えてもらっていいですか?」
「理想の状態を10点満点とすると、今の状態は何点ですか? なぜそう思うのですか?」

O:Options(選択肢の検討)

スキル課題の抽出をし、スキルを向上させるための解決策の検討や、気づきを与えるためのフィードバックを行います。リアリティで気付いたギャップ、つまり課題に対する解決策を考えましょう。課題と解決策の関係性に着目して、優先度を考えるようにしましょう。解決策は部下に考えさせるだけでなく、上司からも提案しましょう。

上司
上司
「一つ選ぶとしたらどれを改善していきますか?」
「重要度や優先順位で選ぶとしたらどれですか?」
「今すぐ取り掛かるとしたら、どんな方法を考えられそうですか?」
「これまでの経験や周りの人の行動をみて、どんな解決に向けたアクションがありますか?」
「私の経験では、〇〇する方法が考えられますが、参考になりますか?」
「いくつかの方法が思いつきますが、今回はどれがいいですか?もっと良い方法はありますか?」

W:Will(意思確認)

部下のスキル育成を支援することの約束や、スキル向上に向けた今後取り組む行動を確認します。次にやるべきことを5W1Hなど、いつ、どこでやるかを明確にさせましょう。その際に、上司が支援できることを、部下に考えさせて、上司のネクストステップを言語化させましょう。

上司
上司
「私がサポートできることはありますか?」
「まずは何から取り組んでいきますか?」
「取り組む際の懸念はありますか?具体的にどう進めますか?」
「具体的に、いつ、どこで、それを取り組みますか? 関係する人との調整はどうしますか?」
「これをやりとげたら、どんな気持ちになりますか?」
「取り組んだ結果を、私にどうフィードバックしてもらえますか?」

ぜひ、部下が主体的に行動変容していけるように、実際のコーチングの場でGROWモデルを意識した問いかけを実践してみましょう。

OJTで活用したい、GROWモデル

GROWモデルは、営業や商談スキルを育成するためのOJTの場でも活用することが可能です。

注意していただきたいのは、部下のスキルに対してフィードバックをする際に「あの時の〇〇はこういう風にやるべきだったよね」などと、自分(上司)が過去に成果を出した方法や感覚、つまり、経験や勘で「コーチング」ではなく「指導」をしてしまうことです。

「コーチング」と「指導」は似て非なるものです。
あくまでも「部下の主体性を引き出す」ことが、コーチングの肝となります。

まとめ

スキルを育成するためのコーチングは、あくまでも手段・ツールです。コーチングという手段を使って、部下が自発的に行動変容した結果、スキルを向上させることが目的です。

×コーチングを実施することが目的ではありません。
×上司が上手くコーチングを行うことが目的でもないはずです。

手段と目的を間違えないように、コーチングという手段・ツールを上手く活用してきましょう。

リープでは、上司のコーチングスキルの評価なども実施しています。マネジャー等、上司の方々のコーチングスキルを高めたいけれど、どこから手を付けてよいかわからない、などコーチングスキルに関するお問合せはお気軽に下記のボタンよりご連絡ください。

コーチングに関するお問合せはこちら

YouTubeでも本記事の内容をご覧いただけます。

関連記事一覧