承認のスキルを上げて、部下の信頼を得よう

コーチング, パフォーマンス評価・設計, ビジネススキル

2025年4月24日更新

ざっくりのあらすじ
1. 「承認」とはコーチングで相手の存在や成果を認めることで、これによりクライアントのモチベーションが向上し、目標達成に向けた行動が継続される
2. 承認には「存在承認」「行動承認」「結果承認」の3種類があり、単なる褒め言葉とは違って具体的な行動や成果を伝えることが重要
3. 日常生活(例:子供のぬりえに対する親の言葉)でも承認を練習でき、相手の自己肯定感を高める効果がある
4. ビジネスシーンでは評価を実施して成長を可視化し、客観的なデータに基づいた承認を行うことで部下の納得感が高まる

あなたは、自信をもってコーチングで部下やクライアントの「承認」ができていますか?
コーチングでしっかり承認ができると、部下などのクライアントの動機づけがされやすくなります。

しかし、承認しているつもりが、実は効果的にできていないケースもあります。
このコラムでは、具体的な承認の方法や効果を解説します。ポイントを押さえて、効果的なコーチングを実践していきましょう!

「承認」とは?

コーチングにおける「承認」とは、相手の存在や成果を認める事です。英語では「アクナレッジメント」とも呼ばれます。

コーチが適切に承認することで、クライアントはコーチが「見ていてくれている」と感じ、安心します。承認はクライアントのモチベーション向上や動機づけに繋がり、その結果クライアントが目標達成に向けて行動が継続され、よりよい成果を生むのです。

「承認」には、以下のような種類があります。

■存在承認
・挨拶をする(例:上司側から「おはよう」と挨拶をする)
・相手を名前で呼ぶ(例:「田中さん」)
・変化を伝える(例:最近、資料の作り方が工夫されていますね」)
■行動承認
・相手(部下やクライアント)の行動を観察し、伝える(例:会議で一番最初に発言しましたね)
■結果承認
・行動の成果を認め、伝える(例:今期は目標を110%達成しましたね)

「とりあえず褒める」をコーチングでしていませんか?

弊社でコーチングの様子を拝見させていただくと、コーチングでとりあえず褒めているケースも多くなっています。

褒めるという行為は、部下などのクライアントの意欲を高めたりモチベーションを維持したりする効果があるので、効果的に活用することが出来ます。

しかし、承認と褒めるは別物です。コーチングでは、相手の行動や成果を具体的に伝えることを意識してみましょう。
理由のない賞賛では部下は成長しません。

例えば、「すごいね!」ではなく、「資料の構成が分かりやすく、説得力がありますね」と伝えると、相手は自分の強みを理解しやすくなります。

また、良い点だけでなく、課題も伝えることが大切です。そのために、事前に評価基準を設けておくと、コーチである上司からのフィードバックが明確になり、部下にも伝わりやすくなります。

身近な承認の事例

承認を意識する場面は仕事だけとは限りません。
弊社では継続的に支援しているこども食堂にて毎年11月に色々な企画を実施しています。

ある年は乳幼児~小学生のお子さん、そして保護者の方に、リープの公式キャラクター「ブンちゃん」のぬりえにチャレンジしていただきました。
親子で、ぬりえをしていただいたのですが、保護者と子供の会話の中にも「承認」が上手にされているケースが多くありました。

例) 子供のぬりえ(作品)を見た保護者の「承認」の言葉
🌟
クリスマスツリーのジグザグをはみ出さずに塗れるようになったんだね!(前は塗れなかったのに)
🌟(子どもが背景を黒色に塗っていて)「黒で塗っているのは夜なんだね。」発想がおもしろいね!お母さんには思いつかなかったからびっくりしたよ。

このような保護者の方々の言葉は、以前のお子さんの塗り絵をした時と比較して出来るようになった点を、見たままにそのまま伝えています。

親から「承認」されたお子さんたちは、笑顔で嬉しそうな顔を見せてくれて、私達リープのスタッフにも得意げにぬりえを見せてくれました。

保護者の方に「承認」されて、それだけで安心、嬉しい、自信が持てたということが理解できました。自己肯定感も上がっていたようです。

このように、コーチングは家族や子供、友人などへの「承認」を行うことで、日々練習をしていくことができます。

今回のぬりえの例も参考に「承認」のトレーニングを是非身近な所から練習してみて下さい。
コーチングのスキルも伸ばせますし、周りとの関係性もよりよいものとなっていくでしょう。

ご参考:リープのこども食堂に関する活動について
対談動画・記事掲載|次世代を担う子どもたちのために『TSUNAGUプロジェクト』が企業に問いかけるもの
Xmas!こども食堂でもらった「ギフト」のお話

適切な「承認」をするために

親子の会話を例に「承認」についてご紹介しましたが、会社の中でチームのパフォーマンス向上のためにコーチングをするケースもあると思います。そんな時には、どのように承認をしていくと良いのでしょうか。

そのためには、評価を実施し、成長を可視化することが重要です。
業務上のパフォーマンスを評価しスコアを取っている場合は、その評価スコアを用いて承認をすることも可能です。

例)営業担当者への承認
「前回に比べて、顧客のニーズを把握する項目のスコアが2つ上がっていますね」

このように、客観的なデータを用いて承認することで、部下も納得しやすくなります。
評価はできていないことを判断するものと捉えがちですが、本来は成長を捉えるために実施されるものです。定期的な評価を実施していきましょう。

パフォーマンスの外部評価はリープにご相談下さい

リープでは、製薬企業を中心に営業担当者などのパフォーマンスの評価を実施しています。
ルーブリックという科学的理論に裏打ちされた評価指標を用いて、AIや複数の評価専任コンサルタントによる客観性の高いパフォーマンス評価結果をお戻しいたします。評価結果は、社員のスキル向上のためのコーチング等に活用いただくことが可能です。

ご参考:
SkillPaletteご案内Webサイト
データが導く生産性向上とセリングスキル強化!~研修リソースの最適化でセールス力を加速~/ファーマIT&デジタルヘルス エキスポ 2024

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執筆者プロフィール

堀 貴史 リープ株式会社代表取締役・パフォーマンスアナリスト
一般財団法人生涯学習開発財団 認定コーチ、認定アクションラーニングコーチ、
CompTIA CTT+ Classroom Trainer、CompTIA Project+、創造技術修士(専門職)
パンダやクマ、甘いものが大好きです。みんなに健康を心配されていますが、、、元気です!

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