一生懸命研修企画して実施しているに、成果につながらない……
色んなセミナーや講習会に参加しているのに、成果がでない……
こんなことはないでしょうか?

研修を提供する側も、受ける側も“お金”と“時間”という貴重なリソースを使っているのに、成果につながらないなんて、悲しすぎます。
せっかくリソースをかけるのであれば、成果につながって欲しい……とは誰もが思うことではないでしょうか?
一生懸命やっている研修が成果につながっていないのであれば、それは適切な「学習課題」を捉えられていないのかもしれません。

YouTubeからインストラクショナルデザインを考えてみる

最近、移動中はもっぱらYouTubeを流し聞きしているのですが、偶然流れてきた動画で紹介された勝間和代さんの動画で、次のようなことが紹介されていました。

多くの人は英語とか簿記とかコンピューターとか色々なことを勉強するのですが、それが意外と年収アップに結びついていません。
それはなぜかという仕組みについて説明をしました。
どのような勉強をすればどのような年収アップにつながるのか、動画を見てもらえるとわかると思います。
ぜひ、無駄な努力ではなく、適切な積み重ねで年収アップを実現してください。

参考 『勝間和代の、年収がアップする勉強法を教えます。』

この動画で解説されている年収アップにつながる勉強法のポイントは以下の3点です。

1. 年収アップにつながるために、どういう仕事をしなければいけないのかをまず考えましょう。
2. その仕事をあなたがするために、足りないスキルがどのくらいあるのか把握しましょう。
3. そのスキルについて教えてくれる人、もしくは自分で学べる自分に合った方法を見つけましょう。

この動画で繰り返し話されていることは、まさにインストラクショナルデザインの考え方そのものです。

ご参考:教え方にはルールがある!?「インストラクショナルデザイン」

1. 年収アップにつながるために、どういう仕事をしなければいけないのかをまず考えましょう。→ビジネスゴールから出口を考える!
2. その仕事をあなたがするために、足りないスキルがどのくらいあるのか把握しましょう。→出口と入口のギャップを分析して学習課題を明確にする!
3. そのスキルについて教えてくれる人、もしくは自分で学べる自分に合った方法を見つけましょう。→学習課題を解決するための学習方略(学習者に合った学び方で)をとるべきである!

何十億稼ぐデイトレーダーはメルマガで学ぶ!?

この動画の中では、勝間さんの大学院の後輩である高収入デイトレーダーさんの事例が紹介されています。
そのデイトレーダーさんは何十億円と稼いでいるそうなのですが、その方がデイトレーダーの手法をどのようにして学んだかというと『メルマガ』だそうです。割りと安めの有料メルマガを読んで学んだことを、ただ愚直に実践し続けて、成果に結びつけたとの事でした。
このデイトレーダーさんの事例でもインストラクショナルデザイン(以下ID)的な学び方のエッセンスがたくさん盛り込まれています。

◆エッセンス1:目指すビジネスゴールから学習の出口を決める

まず稼げる職業として「デイトレーダー」という職業を選択しています。ちなみにネット情報によるとデイトレーダーの平均年収は1,000万円程度だそうです。必ずしもすべての人にとって成果=年収ではないと思いますが、この後輩の事例においては成果=年収アップとして出口が設定されています。

◆エッセンス2:学習者の前提知識や学習スタイルを捉える(出入口分析・学習者分析)

こちらのデイトレーダーさんは「勝間さんの大学院の後輩」ということなので、早稲田大学大学院ファイナンス研究科専門職学位課程を修了している後輩ということになります。
この背景から、このデイトレーダー志望の後輩は、前提知識としてファイナンス関連の基礎知識を既に持っていることが推察されます。よってこの方がデイトレーダーとして活躍するために必要なスキル、つまり学習課題は、デイトレーダーとしての実務を実践する上での具体的なノウハウ的な要素であったのだと考えられます。

◆エッセンス3:「将来役立つもの」ではなく目の前の問題を解決するために学ぶ(成人学習理論)

「メルマガで学んだことをただ愚直に実践し続けて、成果に結びつけた」とあるように、なんとなくいつか使うであろう知識・スキルの学びではなく、今まさに目の前にある問題を解決するための学びをしている点は、まさに成人学習理論(アンドラゴジー)における“問題解決中心”で“応用力の即時性”に該当し、今必要な学びになっています。

◆エッセンス4:自分のペースで学ぶ(自己調整学習)

メルマガを活用して自分で工夫しながら学んでいるということから、自分で自分をコントロールしながら学ぶことで、自律した学びを実践されています。

◆エッセンス5:研修以外の学習支援方法を検討する(情報から学ぶ…ナレッジマネジメントシステム)

デイトレーダーの実践パートに必要な知識やスキルにおいて、「研修」になっているようなものはすでに情報が古く、使えないのでしょう。
研修では得られない、生で新鮮な情報をメルナガで手に入れて、今目の前の業務に活かす……まさにID的です。
しかも先人の知恵が集約されたメルマガという「ありもの」で学ぶということは、コンテンツ提供側にとっても、学ぶ側にとっても省エネで、効率的です。

◆エッセンス6:研修以外の学習支援方法を検討する (仲間・コミュニティから学ぶ)

メルマガについての詳細は紹介されていませんでしたので想像にはなりますが、同業者であるデイトレーダー仲間のメルマガだとすれば、コミュニティでの学びという要素も盛り込まれています。

◆エッセンス7:学習の成果のフィードバックをうける(カークパトリックのレベル4 結果)

デイトレーダーという職業の性質上、学んだことが、実践(行動変容)結果、業績に結び付いたか否かという学習の成果に対するフィードバックを得ていることによって、より自分の行動の修正もしやすいと考えられますし、学びの動機づけにもつながったと考えられます。

このデイトレーダーさんはインストラクショナルデザインを知っていたわけではないと思いますが、学びを戦略的に考えたら、自然とインストラクショナルデザイン的になっていたということだと思います。
「こんなこと当たり前じゃない?」と思われるかもしれませんが、この動画の冒頭でも注意されているように「とりあえず英語を学んでみよう」もしくは「この知識・スキルトレーニングは昔やった時も好評だったし、今回の受講者にも役に立つはず!」と学習コンテンツから入ってしまっていることは意外と多いのではないでしょうか?
もちろん「これを学んでみたい!」という学習欲や探求心は否定されるものではないですが、企業内教育のように「成果」を求められる学びであれば、出口からブレイクダウンして考える必要があります。

あなたの学習課題は何ですか?

あまり外を出歩けない昨今、学びにはうってつけの環境ですが、あなたはどんなことを学んでいますか?
せっかくお金と時間をかけて何かを学ぶのであれば、「成果につながる」ための学習課題に取り組んでみませんか?

リープではこれまでのパフォーマンス評価サービスのラインナップとして『トレーナー評価サービス』を新しくリリースしました。
研修担当者ご自身の学習課題を適切に捉えるため、以下の2つのサービスを開始します。
① トレーニングにおいて「教える」スキル…オンライン・インストラクションスキル評価サービス
② トレーニングを企画・設計するスキル…インストラクショナルデザイン評価サービス
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特に昨今の社会情勢において、オンライン・インストラクションスキルは研修という場面だけでなく、オンライン環境下において人に何かを伝えるための基礎スキルになります。
ニューノーマル以降の世の中で、あなたにとって役立つスキルの学習課題を探り、是非成果につながる「学び」を体感してみてください!

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