【イベントレポート】ペイシェント・セントリシティを実現する問題解決型ディテーリングとは~旭化成ファーマ様の事例より~

インストラクショナルデザイン, パフォーマンス評価・設計, 学習支援, 対話の構造, 教育設計, 教育評価, 研修効果

2022年9月 30日 Medinew(運営:医薬情報ネット株式会社)主催の Medinew Digital Marketing Day2022Autumnにて 旭化成ファーマ株式会社医薬学術支援部教育研修グループ長でいらっしゃる、浦谷一平氏を特別ゲストとしてお迎えし、弊社・堀がモデレーターとしてセミナーに登壇いたしました。
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「ペイシェント・セントリシティを実現する問題解決型ディテーリングとは~「患者中心のMR活動」をスローガンで終わらせない!今こそ必要なMR育成法」と題した今回の講演は、定員の2倍近くのお申込みを頂戴し、盛況のうちに終了いたしました。

旭化成ファーマ株式会社では、2020年に策定された企業ミッション「ひとりひとりの“いのち”に真摯に寄り添い、豊かなアイデアと確かなサイエンスで、アンメットメディカルニーズを解決する」を掲げており、最近実施された調査でもMRの情報提供活動において高い評価を得ていらっしゃいます。

本セミナーでは、ハイスペックなMRを育成するためのトレーニングについて、浦谷氏より具体的な実施方法も交えてご紹介いただきました。今回は、リープのトレーニングでも主軸となっている2つの理論を中心にご紹介させていただきます。

「論証構造トレーニング」でMRのアウトプット力を鍛える

近年、製薬企業各社では、コロナ禍によるオンライン面談への対応が必要になる等の背景により、製品知識だけではなく、より高いアウトプットスキルがMRに求められるようになりました。

そんな環境だからこそMR育成に取り入れたいのが「論証構造」を意識したトレーニングの実施です。

論証構造とは、トゥールミンロジックともいわれ、法学者S・トゥールミンが考案した議論のモデルです。このモデルでは、対話における主張や結論を伝えるためには、適切な「事実・事実情報」や「理由・妥当性」の整合性が、その論理や対話の正当性を示すことを明らかにしました。

ロジカルに、筋の通った医師との対話に欠かせないのがこの論証構造です。
MRのディテーリングにおける論証構造は概ね、下記の様な形になっています。

セミナー中では、上の図の「理由・妥当性」が重要でありながら、MRは「相手も既に知っているだろう」と思い込み、言語化されていないことが多かったとのことです。

医師との対話を通して得られた「事実・事実情報」から「主張・結論」をただ述べるのではなく、しっかりとアンメットな課題を「事実・事実情報」として顕在化し、その課題解決のソリューションとその「理由・妥当性」を伝えることでより納得感のあるディテーリングが実施できるようになります。

【ご案内】リープ株式会社では、「論証構造」を取り入れた実践的なトレーニングもご提供しております。詳細はこちらよりお問合せ下さいませ。

【ご参考リンク】
あなたの話は本当に伝わっていますか? ~対話のルール編~

POSを理解して、一人ひとりに寄り添うディテーリングを実践

POS(ピー・オー・エス、Problem Oriented System)とは、患者さんの問題を全人的に捉え、その問題を解決していくという医療従事者の方が学ばれている思考法の一つです。参考になる考え方であり、MRにおいても臨床における問題の仮説を考えたり、さらに患者さんに寄り添ったDTLを実施したりする上で有用な学びです

POSにおけるProblemとは、「患者さんの問題」を指します。

「論証構造」を学び、医師と筋の通った対話ができるようになるという、MRの営業活動の基本をマスターした後のフレームワークであり、スキルになります。

医師へ質問してから、更に踏み込んで深堀りをすることが出来るようになる、医師と具体的な患者さんを主語として対話ができるようになるなど、一人ひとりの患者さんに寄り添ったディテーリングには欠かせません。

MRへの適切なフィードバック・修了証でモチベーションアップ!

本セミナーの中では、トレーニング実施後のMRのロールプレイの評価にはルーブリック(独自の評価指標)を使用されているといったお話がありました。ルーブリックを用いることで、MR自身や上司が現状のスキルを把握することが出来、今後目標とするレベルに達するためには、どのようなスキルが必要になるのかが明確になります。

評価する側も評価される側にも、指導する側も学ぶ側も、非常に理解しやすいのがルーブリックの特徴です。ディテーリングスキル・ルーブリックの設計や使い方の詳細については、リープ株式会社までお気軽にお問合せ下さい

また、セミナーの中で、旭化成ファーマ株式会社では自社課題に合わせたディテーリングのトレーニングを終了したMRには修了証を発行しているとのお話を伺いました。これは、しっかりとトレーニングを受講し、アウトプットが出来るようになったMRの証でもあります。この修了証は、自信をもって営業活動できる後押しの役目も担っているようです。

【ご参考リンク】
パフォーマンスの状態を可視化できる評価指標「ルーブリック」
成果につながる人材育成システム「スキル評価」

ミッションの達成のために、スキルを育成する

今回のセミナーで浦谷氏のお話を伺って感じたのは、このようなMR育成実践の根底にあるのは、社員全員で策定した「ミッション」の達成である、ということです。

絶対に達成すべき企業のゴール(ミッション)と、現状のギャップを分析し、ギャップを埋めるために必要なティップスが今回ご紹介した「論証構造」や「POS」であり、そのスキルの発揮度を「ルーブリック」で測り、教育のPDCAサイクルをまわしているからこそ成功の循環が生まれるのだと実感いたしました。

私達リープ株式会社は、各企業様に伴走し、御社・社員のビジネスパフォーマンスを科学的に評価・分析し、成果につながる人材育成を実現します。MR育成にお悩みのご担当者様は、是非お気軽にリープまで何でもご相談下さい。

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