ここだけの話ですが、いくら色々考えて準備しても、研修ってうまくいったり、いかなかったりすること、ありますよね…?

今回は、そんなあなたにとっておきの秘策を教えましょう。

その秘策とは、「学ぶ側」つまり、受講者にもインストラクショナルデザイン(以下ID)を学んでもらうことです。

受講者がIDを知ることにより、トレーナーが上手く実施することができなかった研修からでさえ、受講者は何か学びとって、自分のものにすることができてしまいます。

つまり、「失敗する研修」がなくなります。

IDと聞くと、「教える側」つまり、「研修部」や「トレーナー」が使う理論である、というイメージをお持ちかもしれません。しかし、実は「学ぶ側」もIDを知っていることで、あなたの会社や組織の学びがより深まり、学びを有効に活かしていくことができるようになります。

IDを「学ぶ側」にも知ってもらうことは、非常に大切です。
ぜひ、あなたの会社・組織の受講者「学ぶ側」にも「学び方」を学んでもらいましょう。

意外と知らない「学び方」

多くの人が義務教育を受け、その後高校、大学、さらに大学院に進む人もいますが、これだけの長い期間教育を受けていても、ほとんどの方は「学び方」を学んできていません。

筆者も含め、「学び方」については学ぶ機会もなく、「学び方」があるということを意識することもなく、漫然と学校教育を受け続けてきた人がほとんどを占めるのではないでしょうか。

学校を卒業後も、企業や組織で、人材育成のために研修等の「学びの場」が用意されています。しかし、「学び方」を知らないがために、その学びは深まらず、活かされることなく、受講者の記憶の彼方に放置されてしまっている、そんな現実も残念ながら存在しています。

「教え方」から「学び方」を知る

「インストラクショナルデザイン」は「教え方」でもありますが、視点を変えると「学び方」になります。
例として、「ガニェの9教授事象」で考えてみましょう。

「ガニェの9教授事象」についての詳細は、こちらの記事をご欄ください。
https://www.leapkk.co.jp/2020/05/13/robert-m-gagne/

ガニェの9教授事象

1.学習者の注意を喚起する(情報の受け入れ態勢を作らせる)
2.授業の目標を知らせる(頭を活性化し、重要な情報に集中させる)
3.前提条件を思い出させる(今までに学んだ関連事項を思い出させる)
4.新しい事項を提示する(何を学ぶかを具体的に知らせる)
5.学習の指針を与える 学習活動(意味のある形で頭に入れる)
6.練習の機会をつくる(頭から取り出す練習をさせる)
7.フィードバックを与える(学習状況をつかみ、弱点を克服させる)
8.学習の成果を評価する(成果を確かめ、学習結果を味わわせる)
9.保持と転移を高める(長持ちさせ、応用がきくようにさせる)

というのが「教える側」のガニェの9教授事象の概略となります。

一方、ガニェの9教授事象を「学ぶ側」の視点でみるとこのようになります。

「学ぶ側」の視点で考える、ガニェの9教授事象

1. 注意が続くようにする(情報の受け入れ態勢を作る)
2. 目標を確認する(頭を活性化し、重要な情報に集中する)
3. 前提条件を思い出す(今までに学んだ関連事項を思い出す)
4. 新しい事項を知る(何を学ぶかを具体的に知る)
5. 学習の指針を考える(意味のある形で頭に入れる)
6. 練習の機会を作る(頭から取り出す練習をする)
7. フィードバックを得る(学習状況をつかみ、弱点を克服する)
8. 学習の成果を評価する(成果を確かめ、学習結果を味わう)
9. 保持と転移を高める(長持ちさせ、応用がきくようにする)

「教える側」と「学ぶ側」でガニェの9教授事象を対比させると下図のようになります。

参考:『学習設計マニュアル「おとな」になるためのインストラクショナルデザイン』 鈴木克明・美馬のゆり 編著、北大路書房


あなたの会社や組織では、「学ぶ側」がこのような視点で研修をうけてくれていますか??

IDが学びを変える

上記の例を見ていただくと「教える側」「学ぶ側」、双方が能動的であることにお気づきいただけたかと思います。

「学ぶ側」は、どうしても受動的な態度になってしまいがちですが、より学びを深めて活かしていくためには、上記のように「教える側」「学ぶ側」がお互いに、能動的であることが求められます。

IDが「教える側」「学ぶ側」お互いの共通言語となることで、企業・組織の学びが深まり、その後の企業・組織活動に学びが活かされていくことをご理解いただけましたでしょうか。

一方で、それでもやはり「教える側」は、「学ぶ側」がより能動的になってもらえるような研修設計をしていく必要はあります。

「研修設計をどうすればよいか」についてのご相談や、「”学び方”を学ばせたい」そんなご相談は、リープまでお問い合わせください。

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