「メーガーの3つの質問」で人材育成戦略を考える

パフォーマンス評価・設計, 人材育成, 戦略立案

メーガー?聞き慣れないかもしれませんが、あなたの組織の教育プログラムが「イケてるか、イケてないか」を判断する「3つの質問」です。

教育設計の考え方について、米国の教育工学研究者のロバート・メーガー (Robert F. Mager)が以下に挙げる3つの視点を示し、重要な要素・要件として、端的にかつ深く問いかけるものとなっています。

1. Where am I going? (どこへ行くのか?)
2. How do I know when I get there? (たどりついたかどうかをどうやって知るのか?)
3. How do I get there? (どうやってそこへ行くのか?)

1つ目の質問は、 「どこへ行くのか?」、つまり「研修や指導の目標・ゴールを正しく示す」ことです。
2つ目の質問は、 「たどりついたかどうかをどうやって知るのか?」、つまり「目標・ゴール達成をどうやって評価するのか
(適切な評価方法)を示し、実行する」ことです。
そして、3つ目の質問は、 「どうやってそこに行くのか?」、つまり「目標・ゴールを達成するための適切な研修や指導の方法を考え、設計する」ことです。

この「3つの質問」はシンプルで、当たり前な問いですが、企業教育における「戦略思考」を、端的に示したものとも言えます。
ビジネスを戦略的にとらえる現代において、納得できる考え方ではないでしょうか。

この「3つの質問」への解を網羅した教育プログラムであることが肝要です。「イケてる」人材育成を実現するには、重要かつ必須な
要素・要件なのです。

メーガーの3つの質問に関する別の記事:教育設計の本質を突く!メーガーの3つの質問

戦略的な企業教育を実現するために必要なこと

あなたの組織の教育プログラムにおいて「成果が出ていない」、「効果がない」「現場での行動変容が起きていない」と感じているとすれば、「3つの質問」の中に問題があるのかもしれません。

「社内の教育に課題がある」というお客様からご相談頂いた時、この「メーガーの3つの質問」をお伺いします。
その際に多くのお客様に共通する、悩み事があります。

それは、2つ目の質問、How do I know when I get there? (たどりついたかどうかをどうやって知るのか?) つまり、
「目標・ゴール達成をどうやって評価するのか(適切な評価方法)を示し、実行する」ことが実現できておらず、
教育プログラムとして片手落ちになっていることが多く見受けられます。

2つ目の質問である「評価方法を適切に示し、実行」せず、教育プログラムを進めたとしても、その成果を判定することはできません。
「目標・ゴールに達成したか・否か」を検証することができなければ、成果につながったかどうかを判断、判定することができないわけです。

学習者の視点で考えると、教育プログラムを受講し、真面目に学習していても、それを達成しているかのフィードバックがなければ、
学習による目標達成に対して動機付けされることはなく、行動変容はおきません。

目標達成を測る評価方法を明らかにする

2つ目の質問である「評価方法を適切に示し、実行する」ことは、成果をコミットする重要な要素・要件でもあります。
現状の課題を鑑みると最も大きなインパクトを与えるとも言っても過言ではありません。なぜなら、もし仮に、研修や指導方法に不備があったとしても、適時、適切に研修や指導方法を修正することができます。

さらに、目標達成するまで確実にトレースすることで成果にコミットができるのです。
そして何よりも、学習者にとっては、明確な目標・ゴールの設定がされ、その到達度がフィードバックされることで、迷うことなく、
成長を実感しながら取り組むことができるのです。

これらを組織全体が共有した時、その効果は絶大です。組織全体が、成長を実感できる「学習する組織」を生み出すのです。

つまり、「企業教育を戦略的に実現する」ことをミッションに掲げる私たちが、最も大切にしていることは、「メーガーの3つの質問」の2つ目、How do I know when I get there? (たどりついたかどうかをどうやって知るのか?)、つまり「目標・ゴール達成をどうやって評価するのか(適切な評価方法)を示し、実行する」です。

この2つ目の問いに答えることで、理論に裏打ちされた教育プログラムを実現し、その品質を担保し、結果として成果創出をお約束することができるのです。

成果を測るための「ものさし」(評価方法)を持っていますか?

もし、社内研修や教育プログラムなどを改善したい、外部から導入している研修や学習ツールを見直したいなど人材育成の仕組みに課題があるのなら、まずは、How do I know when I get there? (たどりついたかどうかをどうやって知るのか?)を明確にするところから始めましょう。

そもそも、目標・ゴールが漠然としたまま、とりあえず「研修」やっとくなんてことは、戦略思考に背きます。
そんな時は、2つ目の質問、「適切な評価方法を示し、実行」することに取り組んでください、それにより目標・ゴールも明確になります!

私たちは、成果につながるパフォーマンスの評価指標、スキル学習における評価指標の設計と開発をお客様に合わせてご提供しています。
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あなたの組織に合わせた「正しい評価方法を持つ、達成度を測るためのメジャー(ものさし)を持つ」ことは、成果につながる戦略的な企業教育を実現するための第一歩となります。

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