営業部門の意向も組んで、インストラクショナルデザインに沿って、事前学習からフォローアップまでトレーニングを隅々まで設計して準備万端!でもいざプログラムを進めてみると「思ったよりもうまくいかないな…」と感じることはありませんか?

「一生懸命企画したのに、なんか自分だけが空回りしている気がする」
「受講者がどんどん受け身になっている……」
「事前学習、eラーニング、フォローアップやワークなどなど……やりたいことがたくさんあるけど、とても研修部だけでは手が回らない」

こんな風に疲弊してしまったあなた、大人の学びを意識した「引き算のデザイン」を検討してみてはいかがでしょうか?自律した学び手の育成という観点に立つと、あなたが企画したそのトレーニング、もしかすると過保護すぎるかもしれません

あなたにとっても、組織にとっても持続可能なプログラムにするために、「大人の学び」という視点で一度見直してみてはいかがでしょうか?

大人と子供の学び方の特性の違い「アンドラゴジーとペタゴジー」

インストラクショナルデザインでは大人の学び方の特性に応じて学習支援方法を検討します。
こちらの図をご覧ください。学びの特性は大きく2つにわけることが出来ます。

まずは、子供の学び方の特性「ペタゴジー」です。
小学校の教室で机に座り、決められた時間割に沿って教師の授業を受けている場面を想像していただけると、イメージしやすいのではないでしょうか。

一方で大人の学びの特性「アンドラゴジー」については、あなた自身が社会人になってからの経験を振り返って、もっともよく学んだ場面を思い出していただくと、こちらに書かれている内容に納得感が持てるのではないかと思います。

こちらの学習支援理論では、大人が何かを学ぶ際には「なぜ<Why>、これを学ばねばならないのか?」を受講者自身が知る重要性を説いています。言い換えると、そこさえ腹落ちしてしまえば、「大人」は自分自身で目的に向けて自律的に学びをすすめていくことができるということです。

学び手が「大人」であれば、講師が主導権をもって「教える」よりも、受講者自身が目的に向けて学びを進めていけるように、研修担当者は「支援」する形で関与していくことが、効果的であると考えます。(これは必ずしも大人に限った話ではないですよね)

研修設計の落とし穴!受講者の過保護に要注意!!

インストラクショナルデザインを学び、履修主義ではなく習得主義を実践すべく「どうにかして受講者に知識・スキルを獲得してもらって、受講者の役に立ちたい!!」と思いを巡らした方も多いのではないかと思います。(私もその一人です!)

事前学習のeラーニングから始まり、アクティビティに対するフィードバック、事後課題などなど、「どうやって<How>受講者に学ばせようか?」という策略を自分の中で思い巡らしているうちに、上げ膳据え膳のおせっかいプログラムにしてしまっていませんか?
研修担当者が全て決める、準備するのではなく、受講者自身が学ぶ内容や学び方について自ら考えたり、選択権を与える部分を意図的に設計したり、「大人扱い」することで受講者の過保護を防ぐことができます。

「そんなことしたらプログラムの質が保証できなくなってしまう…成果がでないのでは…?」と不安に思う方もいるかもしれません。しかしながらインストラクショナルデザインの原理原則に立ち返って考えると、「どうやって学ぶかよりも、目的とする知識・スキルを獲得してトレーニングゴールを達成できたか?」を問うことが、まさに「習得主義」の実践ですよね。

受講者が「なぜ<Why>、これを学ばねばならないのか?」について腹落ちしたら、あとは目的とする知識・スキルを獲得できているか(評価)をモニタリングしながら、サポートする形でトレーニングをまわしていければ研修を担う皆さんもかなりやりやすくなるのではないでしょうか。

ご参考リンク(TOTEモデル):
育成や学習がうまくいかないのは「目標に問題アリ」かも!?
何度もチャレンジすることがかっこいい!そんな社風があなたの会社にはありますか?

現場に丸投げではない「大人の学び手」を育てる引き算の設計を!

ここで改めて書くまでもないと思いますが、研修担当者がやり過ぎない大人向きの設計にすることは、現場にすべてを丸投げすることではありません。「これが実現できたら苦労しないよ…」こんな心の声も聞こえてきます。

確かに「大人の学び」が機能するためには、自律的な「大人の学び手」になれるような段階的な設計(仕込み)が肝です。

そのためには研修担当者による足場架けを徐々に外していったり、組織の学習環境(例:PLEなど)を整えたり、習得度を評価できる仕組みをつくったりなど色々な仕掛けがありますが、ここがまさに研修担当者の腕の見せ所です。

研修を担う皆さんにとっても、組織にとっても、受講者にとっても持続可能なプログラムにするために、パフォーマンス評価を活用した「大人の学び」を取り入れた設計にチャレンジしてみませんか?パフォーマンス評価を活用した持続可能な自律した育成システムを構築したいと思った方は、是非リープにご相談ください!!

ご参考リンク(学習環境 PLE):
リープの実例を公開!学習環境を整えて、社員のやる気を引き出すコツ

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