PDCAでは生き残れない!?PDCAに代わる思考法とは

パフォーマンス評価・設計, ビジネススキル, フレームワーク, 人材育成


これまで品質向上の技法や生産、業務プロセスのマネジメント手法としてPDCAサイクルが重視され重用されてきました。このPDCAサイクルは、エドワード・デミング氏が体系化し日本の高度成長の中で発展してきたと言われています。

マネジメント層の皆さまのみならず、部下の方も、日々の業務遂行のために、しっかりとした計画のもと、実行とチェック、そして更なる業務改善によるまさにPDCAサイクルに基づく活動を心がけていらっしゃるものと思います。

しかし、昨今の社会、変動し不確定で複雑、そして曖昧模糊(VUCA)の現代には
「これまでの思考法だけでは追いつかない!」
「太刀打ちできない!」
と感じる場面がしばしばあるのではないでしょうか。

2000年代に入りシリコンバレーなどの革新的な企業が世界をリードしている背景には、私たちが慣れ親しんだ「トラディショナルPDCAサイクル」とは少し違った思考法を彼らが身につけていることがある、と言われています。

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シリコンバレーのビジネスエリートの思考法:OODAループ

このOODA(ウーダ)ループは、シリコンバレーなどのビジネスエリートが身につけ実行している思考法の一つです。

Observe:観察(みる)>Orient:状況判断(わかる)>Decide:意思決定(きめる)> Act:行動(うごく)」の英語の頭文字からOODAループ(OODA Loop)の名称が付けられています。

OODAループのポイントは、刻々と変化する状況を察知し、自分の思考と行動を変化させ、成果や結果を導き出す行動モデルで、環境変化の激しい現代のビジネスシーンに応用が可能であり、さらに現場でのマネジメントにも適用できる点にあります。

以下に、それぞれを簡単に解説していきます。

Observe:「観察(みる)」の段階では、とにかく観察をして、状況を分析します。相手の行動をつぶさに見て出方を伺い、生のデータを収集していきます。
Orient:「状況判断(わかる)」の段階においては、生のデータを元に情勢認識を行い、状況判断を行なっていきます。
Decide:「意思決定(きめる)」の段階では、情勢認識を元に、どのような計画を実行していくのかを決めていきます。
Act:「行動(うごく)」の段階に移ります。ここでは「意思決定」の段階で決めた計画を行動に移します。

最後の段階であるAct「行動」に伴い、何らかの結果が返ってきます。今度はそれを再びObserve「観察」することによって、ループが再びはじまります。これを、ぐるぐる繰り返すことによってOODAループが完成します。

重要なのは「このループを素早く繰り返すことによって、自身にとって優位な状況を作る」ということです。ただ漫然と繰り返すのではなく、一つの段階を迅速に、かつ正確に進めていく必要があります。

最近では、ビジネスの場だけではなく、スポーツそして、ゲーム、受験、就活、婚活、仕事などあらゆる日常生活の場面で広まっており、一生を通してあらゆることに使える世界最速で最強の思考法と言われるようになり様々な場で適用できる戦略の一般理論(grand theory) となってきています。

このOODAループの生みの親は、アメリカ合衆国の戦闘機操縦士であり、航空戦術家でもあるジョン・ボイド氏が提唱したと言われています。ボイド氏は、どんなに不利な状況からであっても、40秒あれば形勢を逆転できたということから「40秒ボイド」の異名を持っていました。そんな彼の強さの秘訣を一言でいうと、「行動に移す速さ」です。どんなに先の見えない状況の中でも迅速に意思決定を下し、迅速に行動に移す。これこそが、ボイド氏が「40秒ボイド」たる所以でした。ボイド氏は、軍を引退した後に人間の意思決定に関する研究に没頭し、その研究の末に作り上げたのがOODAループとしてまとめ上げたそうです。

この逸話を聞くと、まさに現代のVUCAのビジネス環境に合わせて舵取りを任されている私たちに参考になる思考法ということがご理解いただけるかもしれません。

ただ、OODAループをPDCAと同列に議論することで、OODAループの本質を見失ってしまいますので、少し整理していきましょう。

OODAループとPDCAサイクルとの違い

PDCAが「自分の計画」から始まるのに対し、OODAループは「相手の観察」から始まるところが異なります。そして、このOODAループは、「状況判断」と「意思決定」が肝であり、このループを高速で回すことで、真価を発揮します。さらに観察はビジネスの「現場」が起点となることが多いので、「現場」の環境に合わせた柔軟な対応に適していると言われています。

OODAループを高速で繰り返しながら、都度調整を加えていくことができるようになれば、素早く適切な決断を下す能力が高まり、変化に対して臨機応変な対応が可能になります。その結果として現場の問題解決能力が向上する、という仕掛けになっているのです。


OODAループを身につけると、直観力が身につき瞬時で判断して実行できるようになります。
迅速な意思決定が求められる現代においては、PDCAを回すよりもOODAを回したほうが優位に立つことができる、といわれており、最近注目を集めています。

まとめ

業務を継続的に改善し目的を達成するためのPDCAサイクルは、実効性に優れた方法論として認められていましたが、顧客ニーズの変化が激しい時代では、PDCAだけでは適用できない場面があると言われています。今のビジネス環境において、PDCAサイクルの硬直的な進行管理体制とも相まって、計画の破綻、現場の疲弊や、または、一般的かつ正論の計画から、創意工夫が生まれづらいという事態をもたらしています。

そのPDCAサイクルを補完するフレームワークとして注目されているのが、機動性に優れたメソッドであるOODAループなのです。

当初立てたプランが起点となり、進行中の管理・監視が最重要視されるPDCAに比べて、OODAは観察やそれにともなう状況判断に重きを置いている点で大きく異なり、柔軟な判断や迅速な実行が最優先であり、現代のビジネス環境にあった思考法と言えます。

部下指導や思考法のアップデートにOODAループを取り入れてみませんか?

皆さんの部下、若手のメンバーにおかれては、「真面目で、仕事も手を抜いたり、サボったりする事なく進めている。」と感じる場面は多いと思います。ただ、そのスピード感や、自ら機動性を持って判断する能力が物足りないと感じることも時にあります。

自分で考えてチャレンジするような人材を育成する時に、「40秒ボイド」の逸話とともに「OODAループ」の思考法を指導してみてはいかがでしょうか。

皆様が実践するOJT指導の中で意識されている「経験学習モデル」の現場経験を起点とする学習法とも考え方が近いことから、これからの人材育成にも適した考え方となっています。

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