「現場営業」VS 「本社」分かり合えない理由はどこに?

ギャップ分析, パフォーマンス評価・設計, 人材育成, 商談力, 教育評価, 評価基準

筆者は以前、とある製薬企業に在籍しており、営業担当者(MR)として現場での活動と、本社での業務を経験してきました。
当時、よくこんなことがありました。

マーケティング(本社側)がものすごい労力をかけて作り上げたプランに対して、現場の営業サイドが渋い顔をする、展開も上手くされない。

本社側は「営業がもっとこうしてくれたら・・・」と考え、
現場の営業側も「本社がもっと現場をわかってくれたら・・・」と考える。

お互い両想いに中々なれず、すれ違ってしまう
御社でも、そんな場面を見たり、感じたりすることはありませんか?

今回は、筆者がリープに転職して見えた、現場の営業と本社のわかりあえない「温度差」の発生原因と、その原因をどう突き止め、解消していけばよいのかを筆者なりに捉え解説させていただきます。

マーケティング戦略が上手く進められなくなるのは何故?

マーケティングプランを策定する時は、本社にいる社員が絶対的に会社のゴールに沿ってマーケティングプランを作っていらっしゃることと思います。

会社全体のゴールとの整合性を取り、会社の承認を得て、いよいよ現場へ展開するのですが、営業担当者が関わる段階になって中々上手くプランが進まないということが発生するのではないでしょうか。

現場の営業担当者の「マインド」が低いから上手く行かないのか?

マーケティングプランが本社から降りてきて、エリアのプランを考えていく現場の営業担当者。
営業担当者は会社全体あるいは事業部のゴールが共有されていたとしても、営業担当者自身のエリアにおけるゴールや課せられたタスク、様々なタイプの顧客への対応など、本社とは異なるゴールも持っています。

そのため、「なんでいつも本社(マーケティング)はこんなことを言ってくるんだ」という声も聞こえてきますし、「こんなこと簡単にはできない」「私の担当の顧客はそうは考えない」といったできない理由が意見として上がってくるケースも多いのではないでしょうか。

それでは、仕事なのに、「できない」「やりたくない」「そうではない!」などと考える営業担当者が悪いのでしょうか?
一方で、エリアゴールやタスクが課せられていても、いつもマーケティングプランに沿った形で行動し、結果を出す営業担当者もいます。

営業担当者間でもかなりの差があります。
できる営業担当者とできない営業担当者の差は、一体どこにあるのでしょうか?


「マインド」だけが問題ではない

リープに入った今、見えたことの一つに、できる営業担当者とできない営業担当者の差の多くは「スキル」にあるということがあります。

何かをやらない、やりたくない と人が考えてしまう原因は「マインド」にあると思いがちです。
もちろん、「マインド」に問題があるかもしれませんが、実は他にも原因はありそうです。

【ご参考記事のご案内】
少し別の視点からの記事にはなりますが、下記の「マインド」に関する記事も是非ご覧ください。(画像をクリックしてご覧ください)

スキルが足りていないから、営業担当者が「できない」「やらない」という気持ちに陥ってしまっている可能性に、是非一度目を向けていただきたいと思います。

知識であれば、ある程度勉強すれば頭に入ります。
また、会議やe-learning等で、「テスト」を実施して知識の確認をすることが出来ますので、すでにどの企業においても実施されている所かと思います。

それでは、「スキル」についてはどのように確認をしていますか?

営業担当者に求められる「スキル」として、顧客との「対話スキル」が挙げられます。
マーケティングプランを上手く実行できない大きな原因は顧客との対話であることが多くあります。

・商談が論理性を欠いていて、顧客が納得感を得られていない
・顧客やエンドユーザー目線が欠けていて、売込みばかりになっている
・上記の結果、アポイントが取れない、メールも読んでもらえない・・・  など

上記の様な状態になるケースが多いため、商談における顧客との対話スキルを測ることは非常に重要です。

このような状態を抜け出すには、対話についての「パフォーマンス評価」を実施し、評価の結果からその営業担当者のスキルで何が出来ていて、何ができていないのかを把握することがファーストステップになります。
評価を実施し、営業担当者のスキルにおける課題を明らかにすれば、その課題を解決するための教育を施すことが可能になります。

パフォーマンス評価の信頼性が重要な問題

「そんなことはわかっている。
フォーマンス評価はうちの会社でも行っているが問題は解決されていないんだ」というお声も聞こえてきそうです。

実は、評価をしても課題が解決されない企業が非常に多いこと、そしてそのパフォーマンスを評価するための「評価指標」の信頼性が非常に重要であるということがリープに入社し見えてきました。

以前私が所属していた企業でも、営業担当者がロールプレイを実施する機会があり、フィードバックもその都度もらっていましたが、上司からもらうフィードバックと教育部からもらうフィードバックが異なるケースも多くありました。

評価の観点も「顧客のニーズが確認できている」「製品・サービスの特徴を伝えた」といった「やった」「やらない」だけをチェックするような評価指標もありました。
ロールプレイでの対話はちぐはぐだけれども、「やった」から評価上では「○」となっているケースも・・・

そのような、信頼性に乏しい評価指標を用いて出た結果から、各営業担当者の課題を正しく抽出することは難しく介入策もとりにくい、ということは、ご想像いただけるものと思います。

パフォーマンス評価指標、評価の実施は外部への依頼も検討を

パフォーマンスの評価指標の重要性はわかったけれど、どうすればよいのかわからないという場合は、様々な企業のパフォーマンス評価をしている企業へご相談いただくと良いと思います。
自社内の知見で客観的な指標を作成するのが難しいという事実もリープに入社して見えてきたことの一つです。

また、評価指標のみならず、評価実施においても、自社で実施する場合には様々なバイアスがかかって正しく評価ができないこともあります。
評価実施自体をアウトソーシングするということもご検討に入れるとより客観的な営業担当者のパフォーマンス評価結果が得られます。

営業担当者のパフォーマンス評価に関するご相談はもちろん、リープでも受け付けております。
弊社が開発した「ビジネス・パフォーマンス・ルーブリック」を用いて営業担当者の商談の評価を実施させていただいたり、AIエンジン「KOTORI」を用いた学習課題分析から、営業担当者や組織の課題を抽出することも可能です。

そのパフォーマンス評価や学習課題分析のデータを用いて、人事、教育・研修部や上司が評価結果を基に営業担当者のスキルを育成し、マーケティングサイドでは営業担当者の弱みを補完するような資材を作成するなど、活用方法は様々です。ぜひお気軽にご相談下さい。

パフォーマンス評価のご相談はこちらから

 

関連記事一覧