ARCSによる動機づけで誤解しやすいポイント3選

インストラクショナルデザイン, 人材育成, 学習支援, 研修効果

研修設計する上で、大切なことが抜けていました・・・

私は研修設計する上で、メーガーの3つの質問4段階評価モデルなどを意識しているのですが、中でもARCSを意識し、研修受講者の動機づけを行っています。

つい先日大変ありがたいことに、大学院のインストラクショナルデザイン(ID)公開講座にてARCSを学び直す機会があったのですが、IDに関する本や動画を見るだけでは学ぶことのできない気づきがいくつもありました。
(私以外の受講者の方も「なるほどー!」といった状況で、講義も盛り上がっていました)

そこで今回は、私の中で気づきになった、ARCSを実践する上で考えすぎてしまったり、逆に観点から抜け落ちてしまいやすかったりする『ARCSの誤解しやすいポイント』3点をシェアさせていただきます!!

ご参考:「メーガーの3つの質問」で人材育成戦略を考える
ご参考:研修はテストとアンケートの両方でしっかり効果測定しよう!
ご参考:相手の心を動かす4つのポイント「ARCS(アークス)」モデル
ご参考:教え方にはルールがある!?「インストラクショナルデザイン」

受講者“全員”を動機づけすることを意識しすぎていませんか?

受講者全員に対して、やる気・モチベーションといった動機づけすることを意識しすぎていませんか?
参加必須の研修でありがちですが、玉石混交の受講者全員のやる気を出させるのは難しいです。全員に当てはまるような興味・関心を探そうとすると、かえって共感の薄い動機づけになってしまうことがあります。
意識の高い人はそもそも強く動機づけをしなくても自発的に行動に移してくれるでしょうし、意識の低い人は行動変容に繋がりにくいため、個別に対応が必要であったりします。
そのため、ARCS実践の対象を中間層(人数が多い層)に対して興味を惹きつけてみて下さい。
ボリュームゾーンである中間層をターゲットとして、ARCSすることが効率的かつ、効果的です。

ARCSの4つの分類を明確に線引きしようとしすぎていませんか?

ARCSによる動機づけを行う際に、A(注意)・R(関連性)・C(自身)・S(満足度)による分類をきっちり線引きすることばかりに気を取られて研修設計してしまっていませんか?
受講者の前提条件を揃えることは難しいので、明確に分類することを意識する(ゴールにする)必要はありません。(そもそも明確に分類するのが難しい)
先の公開講座においても「ARCSの分け方に明確な正解はない」と仰っていたので、あくまで、ARCSを意識した研修設計を行うことが大切ということになります。

研修担当者だけが、ARCSを意識していませんか?

ARCSは、「研修担当者(だけ)が理解して研修に取り込むもの」と思っていませんか?
研修担当者のみがARCSを意識するのでは無く、研修受講者にもARCSを知ってもらい、意識してもらうことも学習意欲を高めるひとつの方法です。
受講者自身が、自分のやる気を引き出す方法を学ぶことができれば、学んだスキルを現場で活かし、それを継続することができます。
そのため、受講者にもARCSの項目を見てもらいましょう。

誤解しがちなポイントを把握して、ARCSによる動機づけを!

大学院の公開講座を受講して、ARCSを中心としたIDの考え方について、多くの学びが有りました。
本日はその中でも、誤解しやすいポイントをあげさせてもらいました。
ARCSによる動機づけを行う際は、考慮してみて下さい。

もし研修設計等でお悩みの際は、弊社までご相談下さい。
従業員の動機づけと、行動変容に繋がる研修をお手伝いいたします。

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ARCSに関する動画もぜひ、ご覧ください。

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